最近の学生達の知識欲の無さというか、いや、違いますね、知識の無さは驚嘆に値します。

 と言っても、それは今に始まった訳ではなく、数年前から、青函トンネルが四国にあったり、「祝」の部首を「ネへん」と言ったり、しまいには「太陽が地球の周りを回っている」と言い出したり…
 以前、高校3年生に「日本とアメリカが戦争してたって、本当ですか? 違いますよね? アメリカは日本側ですよね」と真顔で聞かれ、腰を抜かしそうになったことがあります(笑) いやぁ、いくらなんでもそれはないでしょう…って。

 しかし、今夏。

 まぁ、出てくる出てくる。
 特に文学史分野が惨憺たる状況です。

 「草枕」⇒作品自体を知らない。
 「伊豆の踊り子」「雪国」⇒川端康成自体を知らない

 驚きます。

 「千利休」⇒初めて聞いた
 「パスカル」⇒「人間は考える葦である」という言葉も初耳

 これでは、「カラマーゾフの兄弟」や「老人と海」、「車輪の下」、「桜の園」「赤と黒」「変身」など知る由もありません。すげーな…と。

 で、よく考えてみると、彼らは「ゆとり教育どっぷり世代」なのです。ゆとり教育の下では、中学校時代に文学史はほぼ全面的にカットされています。テキストとしてたまたま出てきた作品は知っているものの、他の文学を幅広く知ることはありません。それが結果としてこういうものに出てきており、何も知らない子どもを作り上げてしまいました。

 恐るべしゆとり世代。
 そして、このゆとり世代が少しずつ社会に出始めています。大人の言葉が通じない子どもも増えています。さて、我々大人がどう対処していくか、どう教育しなおすか、これはかなりの知恵が必要になってくるでしょうね。