私がずっと生徒に言い続けてきたこと。

 それは、「出来ない理由をさがすな」ということでした。何でも人間、「○○だから出来ない」「○○があるから無理」という自己正当化をして物事をやらなくなります。本当は出来たらいいと思っていることなのに、その目標に向かって努力するよりも、やらない理由を探す方に大半の労力を費やすことの方が多いのです。

 Boys ,be ambitious!(少年よ大志を抱け)とは、明治時代に札幌農学校(後の北海道大学)を創設したクラーク博士の言葉です。
 「望みを高く持て」とは、いつでも言われますが、その望みが100%かなう人などなかなかいません。しかし、人間として生まれたからには、さらなる成長を目標に、自己を高めていこうとするのは当然ですし、そんな人を誰が笑うことができるでしょうか。大きな目標を持った人を笑う人は、自分の目標を諦めた上で、「お前も諦めなよ。友達だろ?」と言っているのと同じなのです。
 上智大学の渡部昇一という先生の本の中にこんな一節がありました。
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 「何かこれはと思うものをやろうとするとき、人は二つの壁にぶち当たる。それは、自分の能力的な壁と環境の壁である。能力的な壁とは、自分の問題、「内なる壁」と言っていい。自分の側の力不足であるから、これは自分次第で何とでもなる。これに対して環境の壁は物理的な壁であり「外なる壁」と言ってよい。今の時点ではどうにもならないこともあるから、とりあえずは時期を待つことにすればよい。

  私の経験から言って、今はちょっと難しくすぐに実現できずとも、「いつか必ず自分にはやれる」という気持ちを持って「やるための理由」を掲げて努力を絶やさない人には、不思議なことに、天の一角から「助けのロープ」が降りてくるものである。出来ない理由を押さえて、あえてやってみれば何とかなるということを信じられるかどうかは、その人の覚悟しだいであるが、この覚悟によって世に言う「運命」をも変え得るということを覚えておいて欲しい」
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 自分さえ自分のことが信じられれば、そしてそのための努力を惜しまなければ、不思議と願いがかなっていく、そういうことなのです。これは、私の体験上も数々有ります。「だめだ」と思わずに、「まだ自分の能力が追いついていないけれど、俺に出来ないということはない!」と思って努力を続けていると、思わぬところから思わぬ話が舞い込んだりすることもあるのです。

 浪人などは最たるものでした。全ての大学に落ちた後、家族は気を使っていたようですが、私はヘーキもヘーキ。「代ゼミ1年生になったよ!」と家に帰りました。家族はポカン…。

 次の年に必ず大学生になれる保障なんてどこにもありません。しかし、「自分はやれる」と思っているからこそ出来る事だと思います。
 「どうしたらそう思えるんですか?」と聞かれることもありますが、その答えは、「自分でそう思うから」という単純なもの。もちろん、それだけのことはやっているという裏付けは必要です。

 しかし自分はそこまでバカじゃないと、自分を信じてあげられるかどうかが大切です。信じられなければ所詮その程度の人間だということ。自分が信じてあげられない人を他人が信じてくれるはずはありません。だから助けのロープも降りて来ないのです。

 自分を信じてあげること、そして頑張れること。今の子供には「足りない、足りない」と言っている前に、大人はそれをきちんと伝えていかなければならないと思うのです。少年少女よ、大志を抱け!なのです。

 受験生はいよいよ追い込みです。前半から夏休み、みんな本当に頑張って来ました。時には喜び、時は悲しみ、苦楽を共にしてきたという思いで一杯です。
 さぁ、いよいよ実力発揮の時です。しっかり頑張ってググっと志望校に近づきましょう。