志茂田景樹氏。
 ふと昔の写真を整理していたら、彼がたくさん出てきて、懐かしく思い出しました。
 以前に何度かご一緒したこともあります。新幹線で一緒に大阪まで行ったこともあります。いや、偶然じゃなくね。
 偶然、藤森夕子さんがいたことはありますが(笑)

 で、彼。
 ご存知のように、あの格好ですから、変人と思われても仕方ありません。髪はピンク・ブルー・イエローの3色に染められていますし、タイツに蛍光グリーンのポシェットを提げ、ハイヒールを履いて颯爽と街を闊歩します。
 ひょんなことから、ある方の紹介で彼にお会いし、新幹線の中や、お酒の席などでいろいろお話していく中で思ったことが一つあります。それは、中身がしっかりしていないとこの格好は出来ないなぁということ。つまり、単なるイロモノであったら、ここまで人気を継続できないということです。

 ある時「私も、スゴイ格好してたんですよ」と彼に私の学生時代の写真を見せました。腰まである長髪に派手な衣装。バンド時代のステージの写真ですが、「あなたもこんな格好してたの?」と笑われました。

 しかし、あの頃は「大学生」という肩書きがあったからこそ出来たのだと思います。つまり、単なるバカじゃないぞという気持ちがあったからこそできたのです。
 確かに、以前そんな長髪で塾の講師をしていた際、生徒によくこのようなことを言っていました。
 「いいか、東大生がバカやってたら、バカだと思わないだろう。頭いいのにバカなことしてるなんて、何て親しみやすいんだって思うだろ? じゃ、本当のバカがバカやってたらどう思う? バカはやっぱりバカだと思うだろう。同じことやってても、人の評価は違うんだ。頭よくてバカになれるほうがいいと思わないか?」

 それを地でいっているのが、実は志茂田氏なのだと気づいたのです。いや、バカじゃないですけど(笑)、破天荒なことと言えばいいですかね?
 そのような目で彼を見ていくと、これが実に勉強熱心。特に教育に関しては非常に造詣が深いのです。現場が分からなければ正しい本は書けないと言い、以前には3年間で約100人の不登校児童に会い、JBSフリースクールの非常勤講師を務め、しっかりと取材した上で「俺たち不登校、個性と心で生きてやる」という本をお出しになりました。

 そんな志茂田氏も、最初はあの格好ですから大変な苦労をされたそうです。街を歩けば変人扱いされ、喜ぶのは子供だけ。作家としての信用も一時は失いかけたそうです。ところが、テレビ出演や講演活動で徐々にその真意が浸透し、街の反応も変わってきたそうです。それまではおっかなびっくり握手をしてきたオジサン達も、最近は「自分は出来ないけれど、本当はそういう格好をしてみたいんだ。自分の分まで頑張ってくれ」と抱きつかれることもあるそうです。

 彼の真意は、きれいなものを「きれい」と言って何が悪い、着たいものを着て何が悪い…ということなのですが、逆も言えます。中身がしっかりしていなければ、きれいなものを「きれい」と言っても、着たいものを着ても馬鹿にされたり相手にされないこともある…ということ。

 あの方の迫力とにじみ出る人間性の素晴らしさは、ブラウン管の中ではなかなか伝わりにくいものです。ですから、いつか皆さんにご紹介できる機会を作りたいと思っています。
 ところで、テレビでご存知だとは思いますが、彼のカラオケを聞くとひっくり返ってしまいます。あそこまでいくと、もう芸術です(笑) 念のため。