英単語などを覚えるように指示すると、夢中になって裏紙に書きなぐっている子を見かけます。小学生ならこれでいいのですが、高校生になってまでこんな勉強法を繰り返しているようでは、残念ながら成績向上は見込めません。残念ながらです。

 分からない単語を書いているならまだしも、誰でも書けるような単語を何回も練習していたり、ひどい子になると、日本語の意味もご丁寧に書いていたりします。

 「それって、日本語書く意味あるの?」

と聞くと、さぁ?と答えます。じゃぁやめたら?と言うと、でも… と抵抗します。結局同じような学習法に固執して、結果、覚えられもしないし、時間もかかるし、ゆえに勉強が嫌いになります。全くもって無駄。

 無駄に書く勉強法を薦めるのは、実はお父さん・お母さんであることが多々あります。「昔はこうやった…」 確かに沿うかも知れませんが、それで飛躍的に成績が上がったかといえば、そうともいえないはずです。

 まずは、口で言えること、これが第一です。

 例えば、「違っている・異なっている」が英語でdifferentであると覚えたいとします。まず第一段階で必要なのは、「異なっている」と日本語を言われたら、「ディファレント」と口で言えることが大事なのです。これが言えない前に、書こうとしたりしないことが何より大切です。ですから、最初は「見て覚える」のです。

 そして、ここまで記憶が出来ればもう80%は完成。これで80%なんです。そして、つづりが難しいので、何回か「different」と、何も見ないで練習してみる… 「そうか、fは2つか…」「deではなくdiか…」と、間違えやすいポイントを確認して、最後にスラスラと数回練習すれば終わりでしょう? 苦行ではないのですから、無意味に10回も20回も練習することなど全くの無駄です。今すぐ止めましょう。

 また、1回で覚えようとせず、最低10回くらいお目にかかれるように配慮しましょう。よく、「忘れないようにしっかり記憶しろ」と教える教師がいて困るのですが、そんなことを言われても、人間は「忘れ」ます。そういう仕組みになっているのですから、それに抗うことは出来ません。

 ですから、忘却を防御するしかないのです。忘れないためには、「再度覚えなおす」しかありません。この覚えなおしの回数を増やせば、定着するのです。ですから、忘れた頃に再び見返したり、出会ったりすることが大切です。なので、最初から無理に覚えようとせず、気楽にやるかわりに、最低でも10回はお目にかかる仕組みを作っておく必要があるのです。

 絶対に覚えておいて下さい。
 人間は、忘れたくなくても、忘れます。絶対に。そういう特性と上手く付き合った人間だけが成功するのです。