全国の公立高校では、入試においていわゆる学力検査(学科試験)を受けずに合格する「推薦入試」を見直す動きが広がっているのだそうです。

 都道府県によって多少の取り組みの差はあるものの、この流れは全国的なものになっているようで、これから先の数年で、各都道府県で入試のシステムが大きく変わる可能性も考えられます。

 推薦入試以外にも“自己推薦”や“特色化選抜”など、「推薦」という名前を変更しただけで、結局「内申書」や「面接」「作文」などで合否判定をする試験も多く、一部の子ども達には「勉強なんてしなくても、高校ならどこかに入れる」という甘い考えが広がっているのも事実です。結局高校の勉強についていけなくなるのは目に見えているのですが…

 推薦入試に疑問を持つのは、何も高校入試に限ったことではありません。大学入試のAO入試(アドミッションズ・オフィス入試)についても同じことが言えて、結局実力では人間が抜け道として利用する結果にしかならないのだと思います。作文と面接と内申書で大学に入れるなら、もう既に大学は「最高学府」の地位から陥落しているといってもいいでしょうね。早い時期に入学者を確保できるAO入試は、大学側の青田買いと入学者の早期囲い込みという経営的な側面から考え出された入試だともいえるのでしょう。

 日本私立大学団体連合会が実施した調査によると、回答した私立大の47%が「入学者の学力水準に問題がある」と感じているといいます。

 千葉県でも「特色化選抜」は廃止され、前期入試・後期入試という制度に変わっていますし、石川県では2010年度の推薦枠がかなり減っているようです。推薦枠が減少したり廃止されるということは、その分の一般入試枠が拡大することを意味します。つまりは「実力で採ります」ということ。

 何年も前に私は別で続けていたブログで推薦入試反対という記事を書きました。その当時はゆとり教育真っ只中。何の因果か(笑)、近隣の高校の先生方や塾の組合の先生方も多数読んでいてくれたブログだったものですから、ものすごい数のご批判を頂きました。

「子ども達の幸せを考えていない」
「愛情が無い」
「学力至上主義のエゴイスト」

まぁ、散々でした。
勉強するってことは、そんなにいけないことなんだと、しみじみ思いました。

しかし、私は変わりませんでした。勉強しなくてもいい、楽に進学するのが一番だなどとは決して思いません。人生の中で「あんなに勉強した時期は無い」ってくらい勉強する時期があっていいはずです。それは父母の教えでもありました。そして、それが本当の愛情だと、固く信じています。

子どもにいい顔をするのが愛情ではありません。
やりたいようにやらせてやるのも、愛情ではありません。
楽をさせてやることなど、絶対に愛情ではありません。

もちろん、実力が伴わなかったり、なかなか結果が出るのに時間がかかる子もいます。そういう子の救済策として「推薦」なり何なりの逃げ道を残しておくことも重要なのは承知していますが、原則、学力が伴っていない子を大人の事情で無試験合格にするのは断固反対です。

絶対にその子の成長の糧にならないからです。
今でもこの方針には変わりはありません。
推薦入試は反対。子どもは勉強しなさい。

当たり前のことを当たり前に言えない世の中も、いえない人も、おかしいのだと思います。改めて推薦入試廃止傾向の記事を読んで思いを強くしました。