f02046fc.jpg気になる本を読みました。 これは非常に興味津々でした。

恐らく。
東京に来る前、結婚前の私だったら、100%勝間派だったと思います。雑草は努力あるのみと。そして上昇志向あるのみ。やぶれかぶれでもとにかく前に進みたい… そういう人だったと思いますし、それなりに勉強もしていましたし、努力もしたのだと思います。

けれども、前ばかり向いていても物事は上手く行かない…

私のある知り合いは、どんどん事を大きくするのが得意。 人とのコネを作るのは非常に上手。でも、まず足元を固めなきゃ… と、最近は冷静に考えるようになりました。いい素材も、ちゃんと仕事してこそいい料理になります。

昔は、「企業は人」なんて、回りくどくてロートルの言うことだ…くらいに思っていたのですが、今はしみじみ思います。

「結局、人間社会には人間しかいない」

だから、企業に限らず、全ての生業は「人」で出来ている。人が一番大切。

企業の目的は「利潤追求」ただ一つだという「成功者」が多いものですが、その利潤は「人」からもたらされるものですし、全員が利益を得られるわけではありません。世にあるお金の量は限られているのだから、誰かが儲かれば誰かが損をしているのです。シェアバランスが変わるだけ。

ゆえに、もっと謙虚でなければならないのだろうし、いや、そう自分に言い聞かせています。自分に利益をもたらしてくれる「人」、そして自分の考えを聞いてくれる「人」、自分を信用してくれる「人」、働いてくれる「人」。

例えば、スタッフに本当の意味での感謝を感じることが出来たら、実は一人前なのではないかと、今までずっと思ってきたのですが、それもようやく最近少し感じてきました。自分についてくるのが当たり前ではなく、仕事を教えてやっているのでもなく、「働いて頂いている」という感謝が出来れば、上に立つ者として一人前なんだろうと思います。

若い頃、自分に足りなかったのはそこなんだろうな…と思います。

千葉を引き払う時の皆の優しさ。結婚をして知った心の機微。吉田兼好じゃありませんが、子を持てばまたさらに気持ちが変わるのでしょうが、まぁ、それはまた勘弁してもらうにしても、私も少しずつ前進しているんだろうと思います。

ゆえに、今は何となく香山リカ氏の方が自分の考えに近いように思う。勝間氏は「ちょっと青い」気がします。ぶっちゃけ、私はカツマーにはなれないと思います。いや、事実なれません!(笑)

ただ、努力だけで幸せになれるとは思わないけれど、決め手が「教育」であることは事実だろうと思います。あまり教育を受けていない人は、残念ながら下層から脱却できないことが多いのも事実でしょう。
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と、ここまでが読前の思い。
ところが、読後の感想は全く別のものが残りました。結論は、意外だったということ。

最初はスーパーウーマン勝間VS弱い女代表香山という図式かと思ったのですが、実はカツマーは弱いがゆえの「努力」を主張し、上手く行かないことを嘆くのではなく、努力をしろという主張。実にごもっとも。

対して、努力したくない香山氏は、ある意味で「強い女」なんだということに本人も自覚がない。そもそも私立医大を出てお嬢様でないことを主張は出来ないと思うし(笑)、立教の教授でこれだけ本を出している人が社会の下層代表ではないのだと思うけれども、言っていることももちろん一理あります。

しかしながら、49歳独身、結婚願望無し、カツマーのような努力は嫌いでマイペースで生きたいという主張、確かに理想的だが、それはそれ相応のリスクを伴うし、それをものともしない強靭な精神力と体力・知力が必要。もちろんその裏には経済的な裏付けも必要でしょう。

結果、見えたのは、「強くなければ自由は無い」ということ。

自由でいたいなら実力をつけねばならないでしょうし、「上昇志向」や「努力」というのは不安からの逃避(回避)であり、手っ取り早い不安解消法なのだと理解できました。カツマーがちょっと人間らしく見えました。逆に香山氏が、実は「スーパーウーマン」なのではないか…とも。

いずれにせよ、面白い読み物でもあったし、「幸せって何だろうか?」「何のために一生懸命なんだろうか?」ということをふと考えさせられる本でした。「現代の幸福論」として考えさせられることの多い本でした。