中東カタールで行われていた、ワシントン条約締結国会議。
モナコ公国が提案していた大西洋産クロマグロの国際商取引を禁止する案が大差で否決されたのは記憶に新しいところです。

西欧文化圏の人間の一方的な価値観の押し付けというものがいまだにまかり通る国際社会において、これはひとつの大きな転換点になったのではないかと思います。西欧文化圏の人間と言うのは、どうしても「我こそが正義」「合理こそ正義」「科学こそ正義」みたいなところがあって閉口します。

以前、ソウルで五輪があった時でも、例の「犬鍋」の店が裏通りに押しやられたとか。犬はペットで可愛がるものだから食べるなんて野蛮だ…と。
同様のことは、イルカへの異常な保護と愛情にも見て取れます。哺乳類だから、知能が高いから捕獲してはいけない、食べてはいけない…

それが行き着くところ、捕鯨反対になり、南極海でのあの事件にまで繋がるのですが、すべて「価値観の偏り」でしかありません。犬鍋も、イルカを食べるのも、その国の文化でしかないのです。

では、豪州で、あんなにもかわいらしく愛すべき動物・カンガルーをジャーキーにして食べているのは何故非難されもしないのでしょう? カンガルーの大切なところの袋などは小銭入れのお土産として珍重されていますよね? 信じがたい暴挙だと思うのですが…

牛ならいい、豚ならいい、でも鯨はダメ… という意味はまったく持って不可解。そもそも鯨を乱獲したのは欧米人ではなかったですか?
 

閑話休題。

で、このクロマグロの問題が、今日の社会の授業に直結していたというお話。今日は日本の水産業についての授業でしたが、今や漁獲量世界一は中国。GDPも抜かれましたから、完全にわが国は中国よりも下になりました。

なんとなくあの報道でマグロはもう少し食べられそうだということは分かっていた子がほとんどでしたが、大西洋でマグロがとられていることも分かっている子はほとんどいませんでした。遠洋漁業の実態も… ですから、ずいぶんといろいろな質問がとんできました。知りたいことが多いのはよいことですね。

マグロの授業が楽しみだったという子もいました。
授業が楽しみだなんて、嬉しい限りです。

小5で、ずいぶん難しいことを勉強するんだなぁ…とは思いますが、この時期は逆に好奇心が非常に旺盛。今のうちに「知的好奇心」をはぐくみたいと思います。