トヨタ自動車が10年3月期に2期ぶり黒字に回復し、営業益1475億円となったそうです。コスト削減が功を奏したのだとか。驚異的なV字回復だったそうです。

V字回復という言葉を久々に聞きましたが、トヨタはやはり世界のトヨタ、それなりに素晴らしい経営努力の結果、こんな急激な回復が可能になったのでしょうね。

しかし、

>1兆円近いコスト削減により利益を大幅に積み上げた。

とは、確かに実に耳障りのいい言葉だし、経営者的には「善」であると聞こえるのですが、実際は何をしたかを良く考えてみるべきだと思います。

コストとは、ほとんどが「人件費」
したがって、リストラ、首切り、派遣切り。
恐らく一番立場の弱い、つまり契約がいつ切れても良い様に設定されている派遣社員から切られていき、社内でのリストラを敢行したんでしょう。誰のための会社なのか、企業とは何のために存在するのか、それがもう見失われている気がします。

いつの間にか、企業は株主のために存在していることになっています。理屈上は正しい。だから、金を出している「株主」の利益のために企業が運営されるのも分からなくもありません。しかし、株主は儲からなくなればその株を売り飛ばし、利益を求めて他の会社の株主になってしまいます。株主なくして企業経営は成り立たないのでしょうが、株主は「会社の人間」ではありません。長期的発展なども考えていないし、企業に対する愛情もありません。儲かるから株主なのであって、儲からなければ株主にはなりません。

これは企業経営の本質ではないように思います。

長期的視野に立てば、また本当にその企業に対する愛情を持った株主であれば、社員を最も大切にするんだろうと思います。社員が一生懸命会社のために働かねば企業は動きませんし、その一生懸命働く社員を手放すということは最も辛い「最終手段」。ですから会社が大変なときも、「人財」をなるべく手放さずに回復を考えねばならないのが経営者です。自分の身を守るために他人を切る…というようなマネはそう安易にしてはならないことです。

経営者や株主が巨万の富を手に入れるために企業経営があるのではないと思います。また、そういうことを最初から考えている人物はあまり成功していないように、もしくは躓いているように思えます。

社員の幸せ、働くものの幸せがあって、その結果、おこぼれとして経営者が人より余計にお金を頂くことが出来る。人を幸せにしてこその「富」なんだろうと思うのです。

理想は皆が幸せになり、自分も幸せになること。私は感謝されてお金儲けがしたいのです(笑) ある意味今の仕事はそれを実現できています。全然儲かってないけど…(笑)

あるスタッフが、旅行のお土産と共にくれたお手紙に「おかげさまで毎週バイトが楽しくてしかたありません」と書いてくれました。人を大切にしていくことが何よりだなぁと改めて思いました。

利は少なくても、長く続けられることが目標。
ゆえに、関わってくれる全ての人に感謝していこうと思います。

「企業は人」
そんなことを言う社長は多いもの。以前は半分バカにしていたのですが、今はこういうことを言う人は心から「立派だ」と思うようになりました。