「私たちは日常の中で、『これで全てだ』と分かったときに覚悟が決まり、力強く行動することが出来る。『これ以外に無い』と分かると行動が加速する」

 確かにこういうことってあると思います。
 「定期テストだけは強い」というタイプの生徒っていますよね。中学も高校も、意外に女子に多い傾向にあります。これは、「テスト範囲がここからここまで」というように決まっているから、つまり「これで全てだ」と分かっているから、覚悟が決まって学習が加速し、集中して力を発揮できるということなのです。逆にこのタイプは「実力テスト」に弱いもの。つまり漠然とした範囲や、「今までの復習」などといわれると、あまりに範囲が広すぎて何をやっていいか分からず、結局何も出来ないためです。

 勉強以外でも同じこと。探し物をして、「あそこしかない!」と思えば気合が入って徹底的に探しますが、「公園かもしれないし、教室かもしれないし、行き帰りの道かもしれないし、地下鉄の中かも…」なんて思っていたら、どこも集中して探すことなど出来ませんし、気合も違います。
 もっと下世話なことを言えば、好きな人が2人も3人もいたら、それこそ「この人しかいない!」と思って結婚に至るなどということはないでしょう。どの人にも不義理を働き、結局最後は一人になる可能性が高いもの(笑) いや、経験談ではないですよ?(笑)

 つまり、人間、「これがベストだ!」「これ以外ない!」と信じられるものには全力を傾けることが出来ますし、思った以上の力を発揮することも出来るものです。

 しかし、世の中にはそれを迷わせるファクターが多々あります。友達の情報だったり、先生の一言であったり、かくも情報過多の時代ですから、人は迷ってばかり。だからこそ何かに長けた人物が少なくなったようにも思います。

 そして、意外なことに、子どもを迷わす最大のファクターは「親」であったりします。「もっと効率的な勉強ができるんじゃないの?」「もっとやらなきゃいけないことがあるんじゃないの?」「もっといい学校があるんじゃないの?」 もしかしたら、「もっといい塾があるんじゃないの?」(笑)

 そうあれこれと言われた子どもは、子どもゆえに大人よりも迷いますから、現在自分が置かれている状況にも迷いが生じます。「この勉強でいいのか」「こんな学校をめざしていいのか?」「この塾でいいのか?」しまいには「私何やってるんだろう?」 絶対に大成しないタイプの人間に育ちます。

 そもそも、世の中に「ベスト」などというものは存在しません。万人が認めるベストなど、空想の産物でしかないのです。ある意味、何を(現在の)自分のベストと信じ、それに全力を傾けるかによって、その人の能力を発揮できるか出来ないかが決まるといっても過言ではありません。自分のベストがさらに高い位置に設定されたときに、自分も変わっていけばいいわけですし、環境もリニューアルすればいいだけのこと。常に「ジプシー」になってはいけないのです。

 そういう意味で言えば、あえて謙遜して言いますが、桜学舎は万人から見たベストとは言いがたいでしょう。環境が優れているとも言いがたいですし、超人気講師ばかりを集めたプロフェッショナル集団でもありませんし、華々しい実績を誇るわけでもなく、また見事な施設があるわけでもありません。

 しかし、「桜学舎で頑張る」と信じて1年過ごし、本当に頑張っていた生徒は、基本的に「失敗した…」という進路を取っていないことは確かです。頑張っていた子は全員が全員、納得の進学を果たしています。中・高・大とも。それは、今年の高校入試で不合格者がゼロ、しかも全員第一志望校進学、願書差し替えで上位の高校(本来の第一志望校)合格を果たした子までいる…というところを見てもお分かり頂けるでしょう。

 ジプシーはいつまでもジプシー。さすらい続けて旅に死す。これがジプシーであることを忘れてはいけません。