私たちも、つい「こんな感じだろうな」と思って話をしてしまうことというのはあります。子どもたちの発想力というのは大人のそれを遥かに超えるものがあって、しかも私たちは何でも知っていて、何でも答えられると思っているところがありますから大変です。私たちだって知らないことも、経験したことがないことも沢山あります。しかしながら、この仕事は教科書で知ったようなことも生徒に教えなきゃなりません。「こういうもんなんだろうね」とする場合も当然あります。でなければ、社会の教員は世界中を巡り、考古学者や研究者、政治や経済のプロにならなきゃならなくなります。

 で、これは進路も同じこと。
 この点で、私は自分がとった進路が、少なくとも自分の経験として語れるだけの価値があったなぁ…と思い、本当に良かったと思っています。
 というのは、男女別学の話。
 私は小中は地元の公立でしたから、当然男女共学です。それなりに面白かったのですが、高校は男子校でした。わずか3年間、男同士で過ごすのも悪くないと思っていましたが、その通りで、実に面白い高校時代でした。その後長くバンドを続けたり、一緒にこの仕事をやった友人も、高校の悪友です。男子校というのも実に面白い経験でした。

 今や男女共学化のラッシュで、特に都内女子中高は大苦戦していますから、共学化が進んでいます。今年は茗荷谷の貞静学園が共学化されます。世の流れも何となく共学化で、実は私が元いた千葉県では、既に「男子校」が絶滅しました。保護者の中にも、「男女共学が普通」「別学など時代遅れ」などという風潮が広がりつつあると思います。

 しかし、よく聞くと、やはり共学で過ごしてきた父母は共学を勧め、男子校・女子校を毛嫌いする傾向が高いものです。しかし、共学で過ごしてきた父母は、残念ながら別学の良い点、別学だからこそ出来ることなどをほとんど理解していません。決して男女は同じではありませんから、別々にやった方がよい科目も当然あります。

 「男子校なんて…」「男子校は風紀が悪くなる」「男子校から大学に行くと、女子の扱いになれておらず彼女が出来ない」 みんな想像でものを言っていませんか? 男子校で過ごしたことも無いのに、男子校の良さも分かっていないのに、「見れば分かる」、酷いときになると「見なくても分かる」と言い切る方も多いものです。

いや、知らないでしょ? 男子校・女子校の良さを。
想像でものを言っちゃいかんですね。

自戒もこめて。