『差別をしよう』 ホーキング青山/河出書房新社 1,260円(税込)

少々古い本で、以前通信でも紹介したものですが、再読してみました。14歳の子どもに読ませるシリーズの本です。

以前、「五体不満足」で有名になった乙武氏の裏バージョンとしてメディアでも取り上げられていたお笑い芸人「ホーキング青山」氏がその著者。「笑え!五体不満足」というブームに乗ったネタ本を出していたので、面白がって読んでみました。お笑いですから、笑うのが当たり前なのですが、健常者が意外に気付かない点が多いことを再認識したように思いました。

今、どうしているんだろう?
そんな興味から、久々に彼のことを調べてみると、元気に活動しているようです。
http://www.hawkingaoyama.com/
ただ、苦労も多い様子。

彼の言葉の中で印象的だったのは、運動会の話。

現在はどうなっているのか正確ではありませんが、少し前は運動会で勝敗をつけるのはいけないということで、ゴール前まで競走はしますが、ゴールは全員手をつないでする… などという『間違った』平等感覚を子どもちたち植えつける教育がなされていました。

「平等にして欲しい」とおもっているであろう障害者の彼は、「あんなもの、勉強が出来ない子が唯一優越感を持てる場所だったのに、それさえも奪われたら荒れるしかない」という発言をしていました。

この言葉。
実に本質を突いています。
実にバランス感覚のいい、物事の本質を見抜いている言葉です。正しい。
そうなんです。

私の友人にも、体力の無い、スポーツの苦手な子がいました。でも勉強はピカイチ。千葉高から東大へ行きました。一目置かれていましたよね、小中と。

でも、勉強できない子も生き生きしてました。サッカーが強い子、足が速い子、剣道が強い子。みんな何かしら、どこかで生きる道がありました。だから自尊心も保てたし、「勉強だけが人生ではない」と言えました。

今は、勉強が出来ないとお先真っ暗ですよ。
他で差をつけてはいけない、人と競争してはいけない、勝敗を決めてはいけない… ですから、どこでどう自分を保てばいいのやら…

ホーキング青山氏は、そういう意味で「差別をしよう!」と言っています。言われ無き差別はもちろん許されるものではありませんし、人権侵害であることはもちろん。しかし、そうではなく、「人との差異があるのは当たり前」だと考えようと、そして人は自分とは違うと認めようと、その意味で「差別歓迎」だと言っているのです。

こういう観念的・概念的・抽象的な話をきちんと子どもが読み取れるか、とても重要なことだと思います。是非14歳に読んで欲しいと思います。