過去問を持ってきた中学受験生。頑張っているのでしょうが、こちらから見ていると、やはり呑気。鼻歌でも歌いながらやっているように感じます。実際は歌っていませんが(笑)、そんなのんびりさが仇になっている子。いつかは厳しく言わなきゃなぁ…と思っていました。

 国語が苦手な彼は、すぐ国語から逃げます。今日は前回やり残した社会に、理科と国語を渡しました。きちんとやりなさいと言って。さて…

 得意の社会をやって、気分良くスタート。合格点に達しているので満足。そりゃ社会は好きですからね。

 で、ふと見ると、次は国語と指定したはずなのに、理科をやっています。コラコラ!また国語から逃げる! 叱ったのですが、結局手を付け始めてしまった理科をやらせることに。
 理科は好きなはずなのに、好きな昆虫とか動物・植物は点数が取れてるのに、嫌いな回路や水溶液などの問題が出来ていません。好きな事ばかりやっているから!嫌いな問題をやらないのはいけない癖です。困ったなぁ…

 最後の国語で、さすがに私の堪忍袋の緒が切れました。
 記述式問題を全く手を付けず、記号問題だけで終わっています。今まで散々記述式で絞られてきたにもかかわらず、また講師から徹底的に記述問題をやらされて、必ず何か書きなさいと、部分点でも取りに行けと口を酸っぱくして言われていたのにもかかわらず、白紙。これは流石に、「いったい何をやっていたのか!」と叱りつけてしまいました。さすがに彼もショボンとしていました。

 もういい加減、自分の「現実」を見なくてはいけない時期。いつまでも、できない国語を見ないふりは出来ません。彼はその現実から目をそらし、ずっと国語から逃げてきました。問い詰めてみると、国語の読解問題を毎日解いているわけではないようです。おそらく、宿題をやるのが精いっぱい程度。出来ればやりたくないという感じです。それじゃ受験生としては勉強量が少なすぎます。

 中学受験に限らず、この時期、1日の中でやらない科目があるなど、全く論外。全科目、毎日、1日も欠かさずやるんです。こんなの当たり前でしょ。常識中の常識。何ですか、やらない日があるなんて!

 「受かる気があるんか?」
 こう問われて、彼は少し気付いたのでは? 目的は合格だと。点を取らなきゃ受からないんだと。目の前の、とんでもない点数を直視させました。あえて、厳しい言葉で糾弾しました。きっと胸が張り裂けそうになったでしょうね。

 分かってるんです。分かっていて言っているんです。わざときつい言葉を投げかけているんです。でも、現実を分かって欲しい、そして、「ビリでもいいから受かりたい!」という気概が足りないことを分かって欲しいわけです。頑張れじゃないんです。

 「闘え!」

 英語で言えば、ファイトです!
 受験は勝負です。誰かが受かれば、自分が落ちる。相対的な、競争試験です。競争なんだから、勝負なんです。もしかしたら最大の敵は自分なのかもしれませんが、いずれにせよ勝負なのです。だから、闘わなきゃいけないのです。

 「闘え!」

 闘争心が無くなった者から敗北者となるのです。そもそも闘争心が足りない人間になど、幸運などめぐってくるわけがありません。努力して、努力して、願って、願って、そんな人にだけ幸運がめぐってくるのです。口を開けて待っていれば幸運が飛び込んでくることなどありません。ただ願えば夢か叶うなどと、バカバカしいことも言いません。現実は違います。

 だから、闘え!闘うんだ!

 必死で食らいついていく、そういう努力を、彼には分かって欲しい。それには、そんな腑抜けじゃダメなんです。そんな腰砕けじゃダメです。分かりますよね。現実はそんなに甘くない。

 彼に限りません。

 受験生、闘え!
 受験は勝負です!
 闘争です。競争です。

 あと数か月。頼むぞ!頑張れ!