人の手間をかける個別を始めて4年。改めて「個別指導とは何だ」と考えています。

 個別って言うくらいだから、個々に別々なんですね。個々に別々だから、同じ単元でもやれる範囲やレベルが違ったりするはずなのであって、統一のテキストを渡されても、同じように同じ内容で同じレベルで勉強する「個別」ってのは変ですよね。同じテキストでやっても、ある子はA問題までしか出来ない、ある子はB問題まで出来るといった、個別のカリキュラムがあってしかりなのです。

 で、そもそも、個別なんだから、正しくは1対1なのでしょう。
 一部の大手は、マンツーマンを標榜していますが、その他の大抵の個別は1対2、もしくは1対3。これが主流。経営効率から考えれば、1人が3人くらい見てくれなければ割に合いませんし、スキルのない学生でも3人くらいなら見られるだろうという下心が見え見えです。

 ところがどっこい、個別の講師というのは、マルチタスクをこなせる人間でなければ出来ません。つまり、一点集中タイプは無理なのです。平気で、「中1英語」と「中3英語」とか、今私は「中3社会」と「中1英語」なんて組み合わせもこなしています。これに「中3数学」なんて加わった日にゃ、どえらいことになってしまうわけです。だから、効率よく捌いていく能力が求められるのです。

 机上の空論ならいくらでも何とでも言えます。しかし、実際やってみて、やはり1対1なら、かなり突っ込んで教えられ、1対2は、段取りをきちんとしておかないと、生徒を待たせることになることが分かります。待たせている間は不毛な時間ですから、生徒の月謝を無駄にさせていることになります。よって、タイトな時間で動いている「個別」では、この待ち時間はタブーに近いものがあります。事実、桜学舎はこの点については講師に、実にうるさく言っています。授業中のコピーやテストプリントなどは原則禁止だし、「授業準備が出来ていないじゃないか」とツッコミが入ります。

 同時に問題を解かせるなんてのはもってのほかで(笑)、そんなことをすると、同時に「終わりました」と来て、収拾がつかなくなるからです。つまり、交互交互に演習と解説を組み合わせていかねばならないのです。だからこそ、「A君はこの問題なら○分くらいで終わるな」「その○分間にB君にココの説明をしなきゃ」と、時間が非常にタイト。一つがズレると全てがズレてしまいます。こういうプランニング能力が非常に求められるのです。正直、要領が悪かったり能力が足りない講師は使えません。個別だから楽……だなんて思って来ると桜学舎はムリです。よって、桜学舎には私たちのお眼鏡にかなった講師しかいないのです。

ですから、3人指導なんてありえないのです。講師歴23年、一応プロ、組合の講師研修でトレーナー経験もある私ですが、そんな私でも3人指導はクオリティが低くなるのを実感します。

ですから、学生講師が3人を指導する「個別」というのは、実際はかなり内容が薄いと思われますし、講師もあまり濃い内容を教えられないのでは? ただやらせているだけ、そして質問に答えているだけに近いんじゃないかと思います。ということは、質問が出来ないような子は、放置されてしまうのではないかと思われます。そもそも質問が苦手だから個別に行っているのに…(実際、他塾から来た講師も多いので、内情はほとんどわかっています。蛇の道はヘビですね。) 

ですから、生徒2名まで程度の個別で、しっかりと研修を積んできた講師は授業が上手です。実際、某大手個別塾(一部上場)を辞めてきた講師は、実に使えます。某中堅予備校から流れてきた講師も実に使えるのです。しかし、某大手FC個別塾(一部上場)を辞めてきた講師は×。あんなんでよくやってたな…って感じもあってお引き取り頂きました。そんな傾向もあるんですね。

そりゃそうか。これだけ個別塾があって、それだけの優秀な講師がいるわけがないですよね……。やっぱり当たり外れはあるでしょう。

ただ一つ。ウチはやはり講師や授業に求めるレベルがはるかに高いということ。
そしてその志を持っている講師のみを採用している。そんなハッキリとした印象を持ちました。