335ea0f4.jpg何でも仕事になるもんだとおもうのがこの本。

「酷道vs秘境駅」

ご存知ですか?
「酷道」とは、国道でありながら廃道に近い荒れ方をしているような、要は辺鄙な道。「何でこれが国道なんだろうか?」と思うような不思議な道が全国には結構あるんだとか。「何コレ珍百景」に近いものがありますね。

読んでみると、これまた国道も深いものがあります。
有名なのは、竜飛岬近くにある「階段国道」
国道なのに、階段ですからね。びっくりします。車が通れない国道というのも驚きますが、それがまた結構な段数の階段ですから。「何でこの階段が国道なんだろう?」

他にも、海上国道があったり、ほぼどこが国道だかわからないほどの荒れ地になってしまった国道(上越国境の清水峠がそうですね)など、面白い場所が山ほどあります。

また、最近ブームの「秘境駅」
何でこんなところに駅があるんだろう? そんな駅も全国には多数あります。驚くのは北海道の小幌駅。何せ、駅まで通じる道が無いんです。一体誰が使うための駅なのか… とにかく駅へアクセスできないんです。全く存在する意味が不明の駅なのですが、いまだ現役で駅として稼働しています。

人家が殆ど無い場所に存在する駅もありますし、断崖絶壁に存在する駅もあります。ふつう駅とは、利用者がいるからあるものだと思うのですが、どうもそうとは言い切れないようです。

こんな「酷道」や「秘境駅」ばかりを訪問して、専門家、第一人者になっている人がいるのですが、その二人の対談集がこの本。なかなかマニアックですが、趣味やこだわりというものはなかなか深いものがあるんだなぁと感じます。

いや、それよりも強く感じたこと。
それは、「何でも仕事になるんだなぁ…」ということです。このお二人は本業がきちんとあって、趣味での活動なんだそうですが、それでも秘境駅などは本やDVDなど多数出ていますので、ひと財産築いてしまった感じでしょう。ちょっと変わった趣味でも、窮めていればまた生きる道があるんですね。面白いものです。

「そんなくだらないことをして…」
「もう少しまともなことをしなさい」
「もっと真剣に自分の将来のためになるようなことを考えなさい」

ついそんなことを言ってしまう親御さんが多いと思いますが、実際、私もアルバイトで始めた先生ごっこが本業になってしまいましたし、千葉で11年間一緒に塾をやった相棒は、今や千葉のラーメン評論の第一人者。これで食っているようです。

今や音楽にドラマに大活躍の大学時代の友人もいますし、作詞家を職業としている先輩やら、パチンコのライターやら、とにかく好きなことを窮めて仕事としている人たちがたくさんいます。もちろん、立派な会社のサラリーマンもいますけどね。

何でも仕事になりますよ。
一番よくないのは、何も特徴がないこと。特徴がないなら無いで、使い道はあるのですが、実はそういう人ほど特徴を求めますし、自己主張も強いように感じます。

何だか立派なものじゃなきゃいけないように思っている人が多いと思いますが、ホントに自分の趣味嗜好を窮めることでも十分だと思います。
子どもの好きなことを取り上げたり否定せず、伸ばしてあげてほしいと思っています。