2つの容器A、Bがあり、Aには20Lの水が入っています。Bの水の1/3をAに移すと、Aの方がBよりも8L多くなりました。はじめにBには何Lの水が入っていましたか。(三輪田学園中)

 相当算と言われる問題ですね。まず何をしているのかをしっかりとらえなければいけません。最近、算数の点数が著しく下がっている子がいますが、原因をよく見てみると、結局日本語が読めていないことが多々あります。ABどちらからどちらへ移動したのか、何分の何なのか、のこりはいくつなのか、そういうやり取りの「ストーリー」が全然とらえられない子がいます。

 これはもはや算数の力ではありません。国語力。ゆえに、国語が出来ないと算数が出来ないということになります。算数コーナーでありながら、国語の重要性を強く訴えたいと思います。

 さて、この問題。Bの1/3をAに移しますから、Bに残っているのは2/3です。
こういう問題は線分図を描くと一発で分かりますし、実際私も授業では線分図を描いて説明します。しかし、ここは「国語力」で乗り切ってみましょう。国語力の大切さを考えるために。

 「Aの方がBよりも8L多くなりました」とありますので、これは「余り」の部分。ですから、ここを全体から引いて2で割ると同じ数になるはずです。Bに残された水量は2/3と決まっていますから、余りを引いて2で割った数字は2/3と決まります。Aの水量から8L引いた水量も「2/3」となり、Bから移した「1/3」を引いた部分ははやり「1/3」です。

 Aの方が8L多いわけですから、Aに最初にあった20Lから8Lを引けば、のこり1/3の部分が12Lであると割りだせます。割合にあたる量と割合が出ていますから、全体(もとにする量)は

12÷1/3=12×3=36

と求められます。

 うーん、やっぱり線分図を描いたほうが分かりやすいですかね(笑)ですが、もし国語力でまとめようとすればなんとかまとまる問題、組み立てられる問題ではあるでしょう。

 こういうやりとりは、すぐ混乱して分からなくなってしまう子が多数いますから、絵を描いたり、線分図を描いたりして、「ひらめく」努力をする必要があります。何もしないでウンウン考えていても、問題文中に出てくる数字を適当に加減乗除してみても答えは出ません。

 ちなみに芝浦工大中でこう言われました。「部分点は1〜4点まで用意してます。解答が出ていなくても、考え方で得点出来ます」 途中式や図、絵は大事です。
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