厚生労働省が10月31日に、『入社してから3年以内に仕事を辞めた人の業種別割合の調査結果』というものを初めて公表しました。

 調査によると、大学卒の人で最も離職率が高かったのは、『教育・学習支援業』の48.8%でした。次いで、宿泊・飲食サービス業48.5%、生活関連サービス業や娯楽業の45%と、サービス業が上位を占めています。

 さて、我が業界を見てみると、残念ながらその通りの業界なのかなぁ…と思ってしまいます。やはりなかなか良い給料は出せませんし、人件費はかかるし、非常に小規模な事業主が多く、「近所のおじさん、おばさんがやってる塾」というところが多い業界です。自分で言うのは何ですが、良い業界なのかと言われると、うーん…と、何とも答えにくくなってしまいます。

 
 実際問題、大手の塾はそれなりに福利厚生もしっかりしているでしょうが、商店主と変わりないレベルの我々などからすれば、一人の正社員を雇うのは相当大変です。そんな業界ですから、それらを束ねて全国シェアを狙った方々はかつて沢山いましたが、結局業界再編とはなっていないところを見ると、なかなか難しい業界なのかもしれないと思うのです。

 かく言う私も、かつて就職した塾は1年4か月で退職しました。
 週休1日。
 その休日も定期テスト対策などで休日出勤。
 悪夢の20連勤があった時に、さすがに退職を決意しました。生活が成り立たない…
 大手塾で激務に耐えられず退職した知り合いも多くいますし、小さな塾の将来性に不安を感じて離職した知り合いもいます。業界内でジプシーになっている人も結構います。

 しかしながら、私は多くの正社員を大切にしていらっしゃる先生も存じ上げていますし、経営者として尊敬している方も多くいます。厳しさと温かさを兼ね備えた、鋭い視点で物事を考えられるリアリストであるというのが皆さんの共通点。夢見がちな私とは一線を画す、素晴らしい方々です。

 しかし、現実は、20000人近くが就職し、1年で5000人もの離職者を出してしまう業界。これはもう、塾業界が、働くにはいささか不安を感じる業界なのだということを示しているように思うのです。経営基盤の脆弱さ、報酬のアップが期待できない閉そく感、残業続きの疲労感などがこれを助長しているのでしょう。

 かつて私も、この業界に憧れて入ってきた若者の未来を潰してしまったことがあります。本当にやりたい仕事だったのに、させてあげることが出来なかったのです。私の力不足が原因です。ゆえに、人を雇ったり、人をこの業界に導くことに極端な恐怖感を感じてきました。

 しかし、これじゃいかんな…と、改めて思いました。
 これじゃいかんのです。
 若者が夢を持って、胸を張って働ける職場にしなければいけませんね。
 私にはまだまだ課題が山積していますが、そうなれるよう、今後も精進せねばと意を新たにしました。

参考資料
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/dl/24-18.pdf