1999年6月。これは私の一つの転機になりました。
 特に興味があったわけでもなく、たまたま知り合った方(後々、相当お世話になった私の恩師に当たる人ですが…)に連れられて、とある国に渡航しました。

 「マレーシア」
 最初は本当に不純な動機でした。「この人と一緒じゃなきゃ行かないだろうなぁ…」「一生のうちに一度くらい行ってみようか」そんな興味本位と言うか、物見遊山というか…

 ところが、行ってみて衝撃を受けました。1999年当時のマレーシアは、マハティール首相のルックイースト政策のまっ只中。日本に追い付け追い越せというパワーがみなぎっていました。土産物屋の店員ですら、私が日本人だと分かると「日本語を教えてくれ」と来るほど、「学びたい」という風潮が町中に広がっていました。確かにちょっと怪しいところはありましたが、私はこの国にかなりの興味を持ってしまいました…

 以来、短期、超短期も含めて16回渡航しました。現地で本当に心許せる友人が出来、夫婦ぐるみで現在もお付き合いをしていますし、生徒も多数連れて行きました。もちろんビジネスが出来た時もありますし、苦しかった時もあります。でも、今ほど「ロングステイ」なんて言葉が無い頃から、私にとってマレーシアは第二の故郷と言いたくなるほど好きな国になりました。

 子ども達を連れて行きたい…と思ったのは、初学者や日本人学生の英語学習に最適だと思ったからです。確かに、マレーシアは多民族多言語国家ゆえに、首都クアラルンプールでの共通語は英語です。現地語であるマレー語のほか、3割ほどを占めるチャイニーズ系住民が話す中国語(当時は広東語が多かったのですが、現在の若い世代は北京語が主流です)、共通語である英語、インド系住民はタミール語を話したりと、多言語が飛び交う町。ゆえに、皆英語が「下手」です。

 英語に恐れを抱く学生は、欧米人の中でどうしても気おくれをしてしまう… これが一番の原因だと言います。私もマレーシアへ行く前に2度ほどですが渡米しています。やはり同じような「流暢な英語」に対する劣等感を抱いたことは否めません。

 しかしマレーシアは皆英語が下手。ゆえに一生懸命話してくれる。だからこっちもヘタクソな英語で一生懸命喋る。何とか通じる、本当に嬉しい… あの国では、そういう好循環が生まれるのです。「英語もわかんねーのかよ…」みたいな顔はされません。そこが良かったのです。

 千葉の時代から、大学で少々くすぶっている子、高校時代にちょっと目標を見失ってしまった子、人とはちょっと違う体験をしたい子などを募り、「マレーシアプチ留学」という企画を続けてきました。「一大決心なんて要らなかったでしょ?」というキャッチコピーの通り、まずは1週間程度の体験留学に行ってみよう、まずそういうところからスタートしました。わずか1週間ですが、英語研修を2日間受けて街歩き、1泊はカンポン(田舎の村)でホームステイ、ある時は国立語学学校の生徒との交流会、自然体験など、様々やりました。学習に対するモチベーションを上げた子もいましたし、これをきっかけに世界へ目を向け、海外に出ていった子も多数います。

 最近、日本の政治の弱さを感じませんか。情報発信力の弱さを感じませんか。
 それは、やはり「英語が下手」というところにかなりのウェイトがあるのではないかと思うのです。「英語が得意だ」などという政治家もいますが、私達が聞いていても、どうしてもブロークン。私は英語が流暢に喋れるわけではありませんが、政治家の演説がブロークンであることは分かりますし、自分が英語が下手なことをとてもマイナスだと痛感しています。

 反面、高い英語力で世界での地位を築き、評価を上げてきた国と言えば、お隣韓国と中国。あっという間に抜かれてしまった感は否めません。国連事務総長も、世界銀行総裁も、韓国(系)人であることを忘れてはいけないでしょう。

 どうしても、これからの子には英語が「上手」になって欲しい。そういう思いがあります。英語が分かるなどというのは当たり前です。大学入試問題のように、文法的に正しい英語を読解したりする勉強も必要でしょう。正しい英文を読んだり書いたりする能力は非常に重要なことです。特に大学というところで勉強する基礎能力として、原書を正確に読解できる力は当然あってもらわねば困るのです。英会話だけが出来たところで、大学の勉強に対応は出来ません。

 しかし、ペーパーの力だけが英語ではありません。試験だけが出来ればいいなどという「寝言」を言っている学生は、たとえ東京大学に合格しようと「使えない」人材でしかありません。英語が「上手」であってほしい。ひるむことなく英語で堂々と会話して欲しいし、仕事が出来てほしい、そう思うのです。
 どうやったらあんなふうに喋れるのだろう? それは、脳構造を変えねばダメだということを、私は大学受験勉強中に知りました。外人がどう考えているのか、どう判断しているのか、それを知ればいい… こんな当たり前の話に気付くのに相当かかりましたし、いまだに気付いていない生徒や先生も多いものです。

 桜学舎はLeptonを始めました。小学生から、「バイリンガル脳」を作る練習をする、そういうプログラムであるという部分に、以前からそれに気づいていた私の理念が結びつきました。

 最近、立て続けに「マレーシアへ教育移住」というTVの特集を見ました。そろそろブーム到来でしょうか。この次はインドネシアですよ、きっと。
 Leptonで身に着けた英語をもって、マレーシアプチ留学に出かけることが出来るようになったら最高ですね。
 是非是非、桜学舎Lepton上野桜木教室で、世界に羽ばたく人材に!