「ボクは暗記が苦手なんで…」
「私、覚えてもすぐ忘れちゃうんです…」
「暗記の仕方が分からないんですけど…」

塾の現場にいると、常にこういう生徒が来ます。大人からすると、暗記の方法を他人に教えてもらった記憶なんて無いのですが、今は暗記の方法を知らない子が多くいます。これは本当にビックリします。

「来週までに漢字を二〇問覚えて来て。 テストするぞ!」
ということになると、たいていの生徒はいつ勉強すると思いますか? 驚くことに、来週の授業がある日です。つまり一週間勉強しないのです。テスト当日になって勉強を始めます。下手をするとテスト実施の三〇分前に初めてそのページを開くなんて子もいます。

もちろんそれでもテストに合格する子もいます。短期で覚えて、「先生早く早く! 忘れちゃうよ!」などとテストをせかす子もいます。しかしだいたい半分くらいしか取れなくて再テストという子が多いもの。それで「暗記が苦手だ」などと言いますから、頭を抱えたくなります。


「覚え方のコツが分からないようなので、指導を。」
「単語学習をさせてください。」

こんな父母の要望も増えてきています。以前なら単語テストを実施するだけで、単語学習・暗記学習まで細かく面倒見ていることになりました。

「暗記なんて自分でやるものですよね。」
と、ご理解頂く父母も多かったのですが、最近はそうでもありません。
個人的には、お金を払って暗記をするなどというのはとてももったいないことだと思いますし、時間ももったいないと思います。「自分でやれよ」と思うのですが、そのノウハウを知らない子が多いのも、目を背けられない事実です。

また、暗記に努力している子の中には、かなり強引かつ単調な暗記方法しか知らない子も多いのです。
ご父母も確かに、「ああ、それ、昔やりましたね」と、懐かしく思い出すことが多いのですが、実際それが効果を上げたかどうかは別問題。なかなか効果を上げられなかったのが現実ではないでしょうか。

きちんとした暗記の方法を一度まとめておかなければいけないなぁ… そう思って、常に生徒に言い続けてきた暗記のノウハウを冊子にすることにしました。

正直に言うと、毎年毎年、生徒一人ひとりに一から説明するのも面倒になってきました。今までは年間に一〜二回、「HOW TO STUDY講座」という授業を開いて、勉強のやり方について講義をしてきました。その中の一つとしてこのカード学習も紹介したのですが、地道にやってくれる子とそうでない子がいたのも事実。また、紹介するカードがなかなか手に入れにくい…という事情もあるようで、うまく出来ない子もいるようです。ただ、やった子は確実に知識を増やしていますし、目に見えて授業中の正答率が上がってきます。ただ、この「HOW TO STUDY講座」をそうしょっちゅう開催するわけには行きませんし、個別に説明するには時間がかかります。ベースになる共通認識があれば、プラスアルファの部分は口頭で説明してもいいと思うのですが、何度も何度も説明すると、私も飽きてきます(笑) ですから、まずは「教科書」を作っておくことが大事だと思ったのです。


実は、この中で紹介する学習方法は、私自身が受験生時代に実践していた方法です。完全なるオリジナルというわけではありませんが、塾・予備校に私自身が通っていた際、多くの先生が様々な学習法について話をしていました。その中で最も自分に合いそうな形をチョイスし、ミックスして実践してみたら、かなり効果を上げました。おかげで英語や国語はかなり点数を稼ぐことが出来ましたし、苦手(嫌いではない)な日本史も一時期のひどさを抜け出しました。その知識が残っていることで、大学生時代から塾講師のアルバイトも出来ましたし、いつの間にかそれが本職になってしまいました。本職になってから得た知識など、かなり限られたものです。改めて知ったことが無いとは言いませんが、ほとんどの知識は受験生時代に得られたものです。二五年ほど前の知識が今でも残っているというのは驚異的なものですが、それが出来る理由もちゃんとあるのです。


後年、脳科学や心理学をちょっと調べてみたり聞きかじったりすると、この学習法が効果的だと裏づけられてきました。やっているときは単に「自分に合いそう」だと思っただけなのですが、実は非常に科学的に正しい勉強方法だったということがわかりました。

同時に振り返ってみると、「これはだめだった」「これは続かなかった」などと、反省できる勉強法も出てきました。
「じゃぁ、それを生徒に教えればいいじゃないか!」

ということで、今夏から桜学舎式のカード学習を本格的に推奨しようと思います。もちろん、

「そんな面倒なことをしなくても覚えられる」
「そんなの時間の無駄! オレはもっと効率よく覚える!」

という人もいるでしょうね。そんな人はドンドン自分のやり方で覚えてもらって結構。同じ効果を上げられるのであれば、方法論はどうでもいいのです。同じ効果を上げられればいいのです。

しかし、小冊子の中で説明していくのと「同様の効果」を上げられないのだとすれば、騙されたと思って少し実践してみるといいのではないでしょうか。実際やり始めてみると、楽しくなってきてしまうのがこの学習法。そうなればしめたものです。ただし、落とし穴もあるので、そこも正直に解説します。


もう「暗記が苦手」だなどとは言わせませんよ。この方法を知ってしまったら、「苦手」などという言葉で、「勉強が出来ない理由」を語ることは出来ません。つまり、知ってしまった以上、それでも出来ない場合は、

「やっていない」

これ以外に成績が悪い理由が無いからです。知っただけでは成績は上がりません。実践して初めて覚えられるというもの。


実はこの小冊子。
執筆はもう数年前からやっていたものです。しかし、どうも完成度が気になり、しばらく寝かしておいたのですが、再度加筆を始めました。今夏には必ず発行します。

そして、桜学舎オリジナルの暗記カードはもう既に完成しており、もう段ボールに入っています。先行して高校生には少しお渡ししていたりします。

桜学舎が繰り出すものはまだまだこんなもんじゃありませんが、徐々にいろいろと始まります。
どうぞお楽しみに!