連日の夏期講習で、そろそろヘバってきている子が出始めています。
毎日の宿題に追われて、学習が追い付かなくなってきている子。
体調が悪いとか言って少し休みがちになってきている子。
宿題の履行率が悪化してきている子。
遊びの予定が我慢できずに、勉強ノルマをこなせていない子。

そんな様子が見えて来ています。

そんな子に、時々お話をすることがあります。
授業中に話すこともあれば、授業外で話すこともありますが、それは「生き方の指針」とでもいうべきものでしょうか。

たとえば、100円ショップで買うもの。
そんなに長持ちを期待しないでしょうし、価値も見出さないでしょう。良さそうに見えるのですが、やはり安物。「必要な時に必要なだけ」使うものでしかないでしょう。だから、壊れたらまたすぐに買い換えればいい。捨てるのもあまり躊躇が無い、言わば「使い捨て時代」の象徴みたいなものだと思います。

対極に位置するブランドショップ。
例えば1つ50万円もするバッグが数か月しか持たずに壊れたら、きっとあなたは怒るでしょうね。長持ちを期待していますし、自分の中での価値もある。きっと大切に使うでしょうし、そうそう簡単に「壊れたら捨てて、買い換え」なんて思わないでしょう。ブランド物の修理などは当然のようにあることですから。

100円ショップのものは、100円ですから、それこそ手軽に買えます。
ブランドバッグは50万円ですから、そう簡単には買えません。買うにはちょっと「努力」が必要です。
簡単に手に入れられるものは、捨てるのも簡単。反対に、苦労して手に入れたものは、そう簡単には捨てられません。大切に一生ものとして大事にしていくのでしょうね。

今、大学を退学する学生がとても増えているのだそうです。
本当に苦労して手に入れた学歴は、そう簡単に捨てられるものではありません。きっと、お手軽に入ってしまった大学だからこそ、お手軽にやめることが出来るのでしょうね。私も一度大学を中退しようと思ったことがあります。しかし、やめることにはためらいがありました。やはり予備校にまで通って入学した大学。卒業証書くらいはもらわないとなぁ… という思い… 結果的には卒業証書をもらって正解でした。

桜学舎の生徒に、「一生懸命勉強しなさい」というのは、苦労して手に入れた、大切な自分の学校を愛し、大切に学生生活を送って欲しいからです。行ける学校に適当に行くのであれば、簡単にやめる可能性だって高いのです。それほど行きたいと思っていなかった学校なのでしょうから。そんな生徒も過去数々見てきました。「学校やめちゃいました…」という報告も受けたことがありますが、その時の虚しさったらありません。

こういう子は、その先、いろいろな「本当に大切なもの」を手に入れることが出来ない傾向にあると、私は見ています。学歴だけじゃないのです。友人、仕事、結婚相手、子ども… 大切なものって何だろう、自分が努力して手に入れるものってどんなものだろう… そんなことを考えずに青春時代を送ることが、如何に将来的なマイナスを背負うことになるのかを、私は数々の生徒を間近で見てきて知っています。

ヘタクソでもいい、一生懸命頑張っている子は、他人から見たり、一般的価値観から見たらどうだかは分かりませんが、少なくとも「幸せ」になっています。もっと頑張ればいいのに…と思うような子は、やはり大人になってもくすぶっている気がします。

大切なものを手に入れる。
自分の力で、自分が欲しいと思ったものを手に入れる努力。
私は、受験勉強の本質はここにあるんじゃないのかなぁと感じています。

こんなことを子どもに話すと、ちょっと「魔法」がかかります。
出来ない問題にもチャレンジして、「出来た!」という子が今日もいました。
教師は、子どもにどれだけ「魔法」をかけられるかが力量なのだと思っています。