先日、ある雑誌記事を読んでいて、とても共感するものがありました。
最近、教育現場でよく起こるケース。
子どもの間で、何か嫌な事が起こった場合、当事者であるその子はその場では何の問題もないように振る舞い、上手く調子を合わせるのですが、家に帰って親にそれを訴え、親がそれを先生に言ってくる、そんなことがとても多いのだという話でした。

なるほどなぁ。
確かに今の子は、やたらに「空気を読む」ことは上手で、その場を取り繕い、何となく笑顔でいることは多いもの。ですから、大人が見ていても、
「え? 楽しそうにやっていましたよ?」
「仲良くしていましたよ?」
と思うケースでも、本人は実は嫌だと思っていたり、苛められていると感じたりすることは多々あるのだとか。あるかもしれませんね…

しかし、これはかなり大人の責任が重いのではないかとも思います。もちろん重大な内容だったり、イジメなんて絶対ダメなのですが、自分が嫌なことを、「それは嫌だよ」と伝えることは、人間として大人社会で生きていくことになれば非常に重要な力になります。これを相手の気分を害さないように上手に伝えられるかは、真の大人としての能力を試されてるようなものです。

しかし、よくやってしまうのは、
「この子はそういうこと言えない性格なんです…」
「なかなか引っ込み思案で…」
と、子ども本人の代わりに口を出してしまうことです。
これって、一番ダメなパターンですよね? 子どもがこういう場面にぶち当たったら、これはチャンスと思ってきちんと訓練させなきゃいけません。

もちろん、子どもの口から言いにくいことまで言わせる必要はないのですが、その場を取り繕うために自分の言いたいことをきちんと伝えることが出来ていないというのは困りものです。

やはり嫌なことは相手にきちんと伝えないと分からないものです。親が代弁していちゃ、いつまでたっても子どものスキルは上がって来ません。

やはり、「大人になってからこれが出来なかったら困るのでは?」ということが子どもの教育においては全ての基準。なるべく手を出さず、物事の解釈の仕方と意味合いをしっかり子どもに教えることが重要なのではないかと思います。