物事には順序があって、その順序が狂うとおかしなことになります。


子どもが勉強を始めるとき、最初は「時間」を基準にしていいのです。

「1日○○分勉強しよう」
「今日は○時間勉強した!」

こういう基準で勉強してもらって構いません。
なぜなら、それは一番達成しやすい目標だからです。その時点では、分かっても分からなくても、机の前に向かってさえいれば、この目標は何とか達成できるからです。これがまず第1段階で、素直にこの達成を褒めてあげる必要があります。もちろん塾に来て、授業時間の最後まで勉強して帰ることが出来るというのも、この第1段階です。この時点で、決して「やればいいってもんじゃない」などと言ってはいけません。


そのうち、1日10分勉強しても結果が出ない… などという「結果の壁」にぶちあたります。すると、ここが第2段階。

「1日でここまでやろう」
「今日は○ページやろう」

という、「量」を基準とした学習にシフトします。
量によってだいぶやる時間が変わってきますし、これもまた具体的に達成しやすい目標ですから、シフトしやすいというところもあります。塾でも「宿題をやってきなさい」「漢字を○つ覚えてきなさい」などというものも、この第2段階の学習基準のひとつです。

しばらくすると、また、ただやるだけではダメだ…という壁にぶつかります。学習の基準を「量」にした段階で、ある程度の伸びは期待できるのですが、一定のところまで来るとまた伸びなくなるはずです。ここが第3段階。

「1日でこれは覚え切ろう」
「これとこれは今日中に理解しよう」

といった、「質」を基準とした学習にシフトチェンジします。これが最終段階です。学習時間でもなく、こなす「量」でもない、その中身に焦点をあてて、「何をどのように理解し、身につけるのかということが重要なんだ」ということに気がつくまでには、この3段階のパラダイムシフトが必要なのです。

「だったら、最初から『質が大事だ』と教えればいい」
そう考える人もいるでしょう。
しかし、そうは上手くいきません。この手順を要領よく変えようとしても、現実的にはこどもはそう大人が思うように成長はしないのです。

小学校2年生の子どもに、「勉強の質が大事だ」と言っても理解は出来ませんし、身につきません。「1日10分勉強しようね」と努力させることがまず大事なのです。最初はこれでいいのです。

ただ、大事なのは、子どもの成長段階に応じて、このシフトが的確に行われているか、それをきちんと子どもに諭しているか、理解させているか、それが大事なのです。分かっていて、わざと失敗させ、考えさせ、導いていくということ、それが教育の上では非常に大事なのです。これが出来るようになった生徒は、実にスクスクと成長していきます。

その成長は誰が見ていくのか?
親御さんももちろんですが、大手ではない、一人一人の顔をみて指導している「プロの塾」に任せるという手もありますよね?