きちんとやるということをしっかり仕込むのは、小学生の時期だと思います。これが中学生になればそれだけ、また高校生になれば更に、その「習慣づけ」というものが難しくなっていきます。逆に、小学生のうちの能力というのは本当に「無限」に近いのです。

私は、以前は小学生指導を非常に苦手としていました。どう接したらよいのか分からないというのが正直なところだったので、実は千葉の時代は「中高一貫塾」という形で生徒をお預かりしていました。小学生は本当に、「ウチの弟お願いします」とか「妹とセットでお願いします」そんなケースしか受け入れていませんでした。中学生に学習の積み重ねの大切さを説き、大学受験の高校生に学習習慣の重要さを説いていましたが、浸透しない子が必ず一定数います。これは何なのだろう?と考えていましたが、小学生指導をしてみて一つの結論を見た気がします。それは、理由が受験であれ何であれ、やらねばならないことをきちんとやる… 厳しい価値基準できちんとすべてをやり切る習慣、そう言うことなんだと思います。ここを小学生のうちにおろそかにすると、高校生になってからではもう遅いわけです。大人の言うことなんて聞きません。だから「本人が痛い目に遭うまで…」となってしまうのです。

今年の中学受験生。手前味噌で恐縮ですが、私自身が算数を見ている子がいます。この子たち、Aさんは4月の時点で55だった偏差値を12月最終の首都圏模試で68まで持ってきました。私の教え子の中では過去最高。ビックリの偏差値です。さらに、Bさんは41だった偏差値を59まで伸ばしました。かなりきつかったとは思いますが、ここまでバッチリ伸びたのは、「やるべきことをやったから」です。出来ない問題を「今週金曜日までね」とやり切る指示、翌週までに新たに10ページ…という厳しい指導でしたが、それを誤魔化さずにやり切れば、ちゃんとこういう結果が出るんですね。

反対に何度言っても宿題をやってこない子もいました。講師が口を酸っぱくてし言い続け、私の所にも報告に来て、何度も何度も私に叱られて、それでも翌週には「ノートを机の上に忘れてきた…」などという見え透いた嘘をついてしまう子… 模試の結果は散々。これはかなり困ったちゃんですね。

小学生のうちはノビノビと遊ばせてやりたい…という気持ちもよく分かります。しかし、小学生のうちにしっかり勉強させれば、中高でかなりノビノビと余力を持って学校生活を送れます。どちらが賢い選択なのかはお考え頂ければと思います。