「都立高校推薦対策/集団討論練習会」が終わりました。塾長が理事を務めるTJK東京私塾協同組合の主催で行われたこの行事、昨年に続き2回目ですが、大盛況に終わったようで、定員はややオーバー気味で、オブザーバーとして参加できる保護者も「ご遠慮ください」という状況。ただし、圧倒的に西東京の生徒が多かったようです。会場が聖徳学園ということもありますが…

 で、桜学舎では都立高校の推薦入試を受験する生徒が少ないことを非常に不思議に思っていたら、何と! 地元の公立中学校では、「都立高校の推薦試験は受けるな」という指導がなされているんですね。ビックリしました。
 「大半が落ちるので、無意味だ」
とか、
 「落ちるとショックを受ける子が多いから」
という理由だそうです。
 ここでもやはり、現実社会の厳しさから子ども達を「隔離する」という方針のようです(涙)

 「与えられたチャンスは全て生かせ」
 「失敗しても立ち上がる術を身に着けろ」
 これが、以前、「子ども達に身に着けさせるべきだ」と言われてきた「生きる力」そのものなのですが、こういう力を捨てることが「賢い」と思わせることが、今の教育界の常識となっているのでしょうか? 少なくとも経済活動が行われている一般社会では全く通用しない考え方だと思いますが…

 そもそも、都教委は都立高校入試の推薦入試のあり方を試行錯誤し、入試改革に躍起になってきたはずです。昨年から導入された「集団討論」も、その一つだったのではないでしょうか。
 しかし、それを「受けるな」と指導しているのですから、もうよくわかりません。台東区や文京区のみならず、他の区でも「どうやらそう指導されている」という情報を他塾の塾長から数多く得ていますので、もうこれは公立中学校の常識なんだと認識しました。
 そりゃ私立志望者が増えるわけだ…

 東京都全体的には都立高校指向の高まりが報告されていますが、こと台東・文京区に至っては私立志向は相変わらずです。今年も桜学舎は都立受験者がわずかに5名しかいません。都立から私立単願へ変更した生徒もいます。
 そもそも、落ちたらショックを受けるから、厳しい入試は受けるな…というのも、何のための受験機会拡大なのかが分かりませんし、何のための集団討論と面接なのかも分かりません。こんな指導をしていたら、人生において「チャレンジする」「チャンスをものにする」「努力する」人間など育てることは出来ません。そんなことをしておきながら、「ウチの子は危機感が無い」などと嘆く大人がいますが、当たり前じゃないでしょうか?

 人生の中では、「万が一の可能性」「1%の可能性」に賭けてチャンスをつかみに行かねばならない場面が山ほどあります。そのチャンスにチャレンジしなかったことを一生後悔することもあります。いや、失敗したことより、チャレンジしなかったことこそ、本当に後悔することです。どうしてそういう「ものの考え方」を教えてやれないかなぁ?と思います。それこそが教育なんじゃないのかなぁ?
 
 入試は子どもにとっては大きな経験です。大人が思っている以上に大きな経験です。
 頑張って勉強することは、教科の成績を上げることがそもそもの目的ではなく、知的好奇心を養ったり未知のものに対する学習力や解決力を身に付けるのが何よりの本質。どこの学校に入るかなど、後の後の方から付いてくる「付加価値」でしかありません。
 だから、子ども達には「マジメに入試を乗り越えさせる」必要があるのです。これこそが最も楽で、最も正しい力がつく教育ではないかと思っています。