先日行われた東北大入試で、駅と大学を結ぶバスが大幅に遅延し、入試開始時刻が遅れたという報道がありました。原因はバスの輸送力不足による遅延。

ところが、受験者は昨年よりも200名近く少なく、むしろバスの供給オーバーかと思われていたのですが、蓋を開けてみたらなんと人であふれてしまったとか。

なぜか?

何と、付添いの保護者が非常に多かったのだそうです。
大学受験で、母親と一緒に??
ちょっと甘ったれ過ぎやしませんかと呆れてしまいました(笑)

しかも、それは聞いてみると、
「高校の進路指導」
なのだとか。
???。

試験日当日など、家を出る時に、家族に「頑張ってこいよ」とエールを送られるだけでいいのです。
その後電車やバスの中で、いろいろ考えながら、勉強したりしながら、それでも気持ちを落ち着け、覚悟を決めて、「さあ、いよいよ勝負だ」と腹に力を入れて大学の門をくぐるわけです。それが気合になり、それが精神的な成長になるのです。

それを、緊張感も無く、親子で試験場に赴いたら、一体どこで気持ちと体勢を整えて大学入試に立ち向かうのでしょう?

大抵こういう子の結果は良くないものです。
大学入試は既に子どもの入試。
親が介入してはいけないのですが、どうも昨今、親御さんの方が舞い上がっているケースを見かけます。もっと達観して、「人生の厳しさを学べ」くらいの態度が親の姿勢として正しい気がします。

また、大学が求める「自立した学生」とは、真逆の方針であることも気づいた方がいいでしょう。
高校の指導が「保護者同伴」であるとすれば、それは大学が求める学生という観点からすると、教育として「真逆である」と断言できるでしょうね。自分で自分の人生を切り開く力がある学生を大学は求めているわけで、「身の回りのことは全部やってあげるから、あなたは勉強だけに集中しなさい!」という教育方針は、大学が求めるものではないということです。

何でも、最近は就職活動にも親がついていくケースがあるのだとか。
もう、ビックリです。

大人の思惑ではなく、子どもがどう立派に自立していくかを考える「教育」として受験が存在してほしいと、私は強く願います。