21 早ければ小学校高学年から、標準的には中学生女子はお父さんを疎ましがります。出方は様々ですが、酷い子になるとお父さんを汚いもの扱い(笑) 一緒に洗濯しないで欲しいとか、お父さんが何かを取ろうとするだけで避けてみたり、もうそれはそれはお父さんが可哀想になってしまうような、そんな子もいます。

 私には子どもはいませんが、もし愛娘がいて、目の中に入れても痛くないほどの娘に「キモい」なんて言われたら、それこそもう人生の終わりです(笑) ホント、男泣きするでしょうねー。悲しくて仕方なくなります。幸い、そのお父さんの嫌われる分、私みたいな人が代理父みたいな存在になることが多く、「先生は別にいいけど、お父さんは嫌!」って話は本当によく聞きます。

まぁ、実はそんな私も徐々に「先生も嫌(笑)」って年齢になって来ているので、徐々にその対策を打ち始めてはいるのですが、それにしてもお父さんの嫌われようは、ホント心中お察しします。御愁傷様なのであります。

ところが、ある方からこんな話を聞いたことがあります。
年頃の女の子はDNAのレベルでお父さんを避けるようにインプットされているのだとか。女の子から「女性」に変わる時期、最も近いところにいる男性であるお父さんに変な感情を抱いたりしないよう、ちゃんと避ける「機能」が付いているのだとか。だからある程度分別がつく成人の頃は、もうお父さんと仲良しになれるんだそうですよ。わずか数年の我慢。耐えるしかないようですね。

さて、本書。
このタイトルを見たときに、これは是非読まねば!と思いました。私達も「娘の父に対する態度が酷すぎる」なんて相談を受けることが多いので、年頃の女子の本音や考え方の構造を解明したいとは思っていますので、一つの大きなヒントになるかな?と思ったのです。

その目論みはドンピシャ。これは実によく分かる実例。
特に、この題名にもなっている「お父さんがキモい理由」にはある種の衝撃が伴いました。私も筆者と同じく、娘が父をキモいと言うのは、女子中高生特有の「ちょっと不愉快なことをキモいと表現し、そこには強い嫌悪感は存在しない」と思っていました。リスペクトしていることをストレートに表現すること等出来ない年代ですから、逆のことをつい言ってしまったり、あえて「キモい」と表現してしまうのだろう…くらいに思っていました。

しかし、筆者の娘曰く、「行動とかしゃべり方とか、存在自体がおえぇぇって感じで気持ち悪い」(笑)のだそうですよ。もう、身も蓋もないというか、お父さん「撃沈」のストレートパンチです。

ただ、よく紐解いて行くと、なるほどと思うこともあるのです。筆者の娘さんの希望は、「もっと大人っぽくしてて」「年齢相応の行動をとって」「可愛がりすぎないで」ということなのです。つまり、「かわいい自分の娘だから」といって何気なく取る行動がとても「キモい」と受け取られることが多いようで、自分の娘でありながらも「他所の家の同年代の女の子として扱う」くらいが丁度いいのだそうです。

これも、やはり娘が一人の女性として成長して行く、自立して行く途中過程なのだと気づかされます。例えば、筆者は娘が寝ているところへお休みのキスをしに行くことがあったのだそうですが、「他所の家の中学生女子のホッペタにキスをする」という行為は明らかに犯罪行為ですし、つまり自分の娘だから許される…という風に考えてはいけないのだ、ということらしいです。そう考えると、まぁ納得というか、行動の判断基準が出来ますよね?

娘に対してあからさまな「好き好きビーム」を発することは、娘からすれば「恥ずかしいこと」であり、これがいわゆる「キモい」に直結します。その他、風呂上がりに裸で歩いたり、人前で娘に手を振ったり、娘の気を引こうと思ってつまらないギャグをやってみたり、べたべたすり寄ったり、お小遣いで釣ってみようとしたり…は全部「キモい」んだそうです。つまり、ドライな普通な大人になっていれば問題がない様です。

もちろん、これが全ての答えではないと思いますが、一つの真実であることも認める必要があるのだと思います。是非、辛いお父さん方、是非ご一読下さい(笑)


「お父さんがキモい理由を説明するね」
中山順司/リンダパブリッシャーズ/1200円