私達はサラリーマンではなく、まぁ会社経営なんて言うと偉そうに聞こえますが、自営業です。しかも零細の。ですが、勤め人とはちょっと違う人生のチョイスをした人間です。実は勤め人、つまりサラリーマンになることが普通だと思われている昨今ですが、自分で商売をしたり独立起業したりする方も世の中には多いわけで、そういう生き方も厳然とあるわけです。それを否定し、不安定だから…などと言って人生のチャレンジやチャンスを躊躇する人間も数多く見て来ました。

最近は大学生に「起業しよう」なんて言うと、「ドン引き」されます(笑)
自称「賢い」(笑)大学生ほど「公務員」「安定職」を求めるのだそうです。まぁ、草食ですねぇ。私は大学生の頃からエキサイティングな人生を求めていたので、なるべくしてこんな人間になってしまったのでしょう。それでも大学生が何かをやろうとする時に「やってみればいいじゃん!」って思うのですが、「そんなことやめて!」「変なこと考えないで!」「普通に生きて!」と周囲から言われることが多々あるようです。つまり、起業だの何だの、一般的な「就職する人生」を求めているのは、そして「それこそが正しい人生の選択だ」と教育しているのは、実は大人なんじゃないかな?と思います。

ですから、若者に限らず、志のある方が起業しやすいような支援や、創業支援、そして万が一失敗したとしてもリカバーしやすい環境づくり、何度でもチャレンジ出来るシステム作りは急務ですし、重要な政策だと思います。これこそやって欲しいことです。

さて。
先日、下記のような報道がありました。サラリーマンなどをやめて起業する人に年間650万円の生活費を最長2年間支給する制度を始めるのだそうです。大企業などに勤務する優秀な技術者や研究者の起業を後押しし、ロボットなどの製造業関連での起業を期待しているのだとか。まぁ、そういう特殊分野での起業ということであれば、何かしら事情があるのかも知れません。

しかし、商売というものをナメていたり、そもそも商売というものをやったことがない人間が考えることは所詮この程度の税金の無駄遣いなんだなぁというのが、正直な感想。政府のお役人に「商売」「会社経営」のことなど分かりはしません。これは、大変失礼無い言い方かも知れませんが、毎月安定的に定額が銀行口座に振り込まれることが約束されている方には、絶対に分からないことです。商売をするというのは、明日は売れないかもしれない、来月は給料が出せないかもしれない… そういうプレッシャーとの戦いなのです。それがなくなったら、もうそれは事業主じゃありません。そういうプレッシャーをはねのけてミッションをみつけて会社を動かして行く、そういう覚悟があるからこそ、会社は、社長は、「失敗しない経営」を目指すのです。そして「頑張る」のです。

ですから、こんな生活保証金もらって商売を始めたところで成功するわけがないし、絶対に成功しなければならないという「覚悟」もなく、たかだか1〜2年の「自前の生活費」も用意できないような金の無い(というか、金を準備する能力がない)人間が、「独立」だの「自分で何かやりたい」だの「商売」だのと言う資格など無いと、私は個人的に思います。

商売とは、私なんかが言える立場じゃありませんが、そんな甘っちょろいものじゃない。
だからこそ、必死に考え、トライ&エラーを繰り返して正解を見つけ出して行く、そういうところが面白いんだけれども、その醍醐味が分からない人もかなり多いはずです。

じゃぁ、どうすればいいかという話なのですが、要はきちんと起業出来るのであれば、様々な融資が通りやすくすればいいのです。それだけです。実際、創業などで融資を受けてみると、結局は社長の個人資産を問われるのです。これは間違いのない事実。実際やってみれば分かります。しかも、資本金を貯めていたその過程の貯金通帳を見せろとまで言われるのです。タンス預金は証拠が無いからダメだと言うのですよ?

そんなこんなで公的な融資や支援があることにはあるけれども受けにくい状況で、「起業を支援」だの「生活費2年で1300万円」だの、バカ言うな!となるのは、実際商売やってる人間からすれば当たり前の話です。私のFacebookでこの政策に対して好意的に見ている人間が誰もいないのは、いかにこの政策が世間ズレしているかを表していますね。

そもそも、会社が失敗しても年収650万円って、どんな楽勝の生活だよ…と思います。こんなことでは悪用する人たちも出てくるはずです。一線級の狸からすれば、お役人の目などザルですからね。助成金や支援金を悪用されて随分と持って行かれているという報道は多々ありますものね。

製造業やある特定の将来性のある業種・分野を育てていく、若者でもチャレンジ出来る創業支援をする政策などは確かに良いことです。創業のハードルが高すぎて、腰が引けてしまっているのが若者だとすれば、そういうところへ支援を回すのはいいことです。

ただ、それは、いくら大手企業をやめて創業する人であっても、特定分野での成長を期待される独立開業であっても、あくまで「創業支援」であって、自分の金で商売をする覚悟も無いような人間の生活費をくれてやる…というのは、どうも安直すぎるばらまき政策にしか思えません。

実際問題、小さな店をやる程度であっても、知り合いや友人・家族からお金出してもらって商売を始め、苦労して開業していないような人はロクに成功などしないのに、ましてや税金で生活費が保証となれば「使ったもん勝ち!」みたいな意識にしかならない気がします。甘いというかユルいというか、どっちにしろ、私達がアホみたいに払ってる税金を、こいつらにくれてやるのかと思うと泣きたくなります(笑)

ほとんどの会社が1年もたないという事実を忘れちゃいかんです。
もう少し税金を生きた形で。そして、お国の方々は、もう少し「世間」というものをお勉強して頂きたいなぁと思います。

まぁつまり、人の金で商売すんな、人の褌で相撲を取るなということです。
皆さんはどうお感じになるでしょうかね。

ちなみに、たとえ小さな会社でも、会社を経営したこともない方が、経営学を大学で教えていたりするからビックリしますよね。つまり、経営学と実際の経営は、もちろん役立つ話なんでしょうが、ある意味別。世の中にはまだまだ不思議なことはたくさんあるものです。今回のことも、似たり寄ったりの話であるように感じます。

もちろん、自戒も込めて、他山の石とします。はい。 
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起業後押し、650万の生活費2年支給へ…政府
読売新聞 7月29日(火)10時49分配信
 
 政府は、サラリーマンなどをやめて起業する人に年間650万円の生活費を最長2年間支給する制度を今年度中に始める。

 起業した当初に収入がほとんどなくなってしまう不安をなくし、大企業などに勤務する優秀な技術者や研究者の起業を後押しする。特に将来の市場拡大が見込まれるロボットなど製造業関連での起業を期待している。

 起業家が、経済産業省所管の独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」の関連会社の契約社員になる形をとり、NEDOが生活費を「給与」として支払う。8月18日まで募集し、15社(1社当たり最大3人)程度を選ぶ予定だ。

 NEDOは、試作品づくりや市場調査のための補助金(上限は年間1500万円)も支給する。