夏期合宿最終日。
小学生も中学生も高校生も。皆、深夜まで勉強していました。ノルマが終わらない… エンジンをかけるのが遅かったり、自分が思っていたほど出来なかったり。帰りまでのノルマが達成出来ないと困ると思って、最終日は焦って勉強していました。

大人から見れば、「最初から計画的にやればいいのに…」と思うのですが、それが出来ないのが子どもです(笑)だからこそ、こういう「極端なこと」をしなければ、なかなか子どもは変わってくれないのです。 「極端なこと」にお付き合いするのはなかなかしんどい年齢になってきましたが、それでもまだまだやろうと思うのは、とにかく子どもの意識が何か変わってくれれば…という思いからです。

54よって、4日目の朝。
ご飯がのどを通らない子がほとんどでした…(笑)そりゃ、食えないわなぁ…
それでも無情に9時から最終の勉強。10時には閉会式が始まります。

同行した講師が、一人一人最後にスピーチをしますが、「私も生徒として受験生だった時はね…」という言葉にとても説得力があり、子ども達も本当に真剣にその言葉を聞いていました。

私、塾長の話はいつも同じです。

2つのことに気づいて欲しいと。まずは「意外に出来ない自分」に気付きなさいと。あんな薄っぺらい問題集1冊、あんな簡単なテスト数枚、全然進まないし、全然覚えられないし、全然終わらない、そんな実力不足の「出来ない自分」に気づきなさいと言うのです。睡眠時間を削って、こんな涼しいところで缶詰になって、先生までつきっきりになっても出来ない、今の自分はその程度の実力なのに、「やれば出来る」「いつかは出来る」「あとで本気でやれば何とかなる」などと言っているのは愚かなことだと思い知りなさいと言うのです。あなたは、意外に出来ない。なのに出来るつもりでいる、図々しい人間なんだとハッキリ分かるために来たのが、この合宿の最大の目的なのですと、ちょっと厳しいことを言いました。

それから2つ目は、矛盾するようですが、「意外に出来る自分」に気づきなさいと。いつもは、数時間勉強しただけで「もう無理…」「こんなにやったら死んじゃう」などと、逃げ口上ばかり上手になっている自分がいるはずですが、じゃ、本当に出来ないのか、本当に死んじゃうのか、やってみようというのが合宿。3食も用意しました、死にそうになったら部屋に戻ってすぐ寝っ転がれるようにも準備をして、涼しい環境も、仲間と一緒に励まし合える寂しくない環境も整えました、間の息抜きも準備しました、大きなお風呂も用意しました、じゃぁ、限界までやってみよう… 最終日の結論は、「ちょっと疲れたけど、まだまだ余力がある」ですよね… 意外に頑張れるんですよ、自分は。まだまだ出来るし、サボってるだけ、まだ持てる力の20%も出していないというのが正直なところです。そんな力を秘めた自分に気づきなさいと言いました。

16ノルマを達成した生徒には、今年は合宿修了証をお渡ししました。つまり、これを貰っていない子は、まだ合宿が終了していないということです。合宿課題をどうするべきなのかは、後半スタートした後、教務主任と相談して決めましょう。そして、ノルマを達成して、修了証を貰いましょう。
 
その後、毎年恒例の合宿スライドを見て、感想文を書いてもらって、バスに乗り込み、帰路。
今年は、帰りのバスの立寄が不可能とのことで(国土交通省の規制が大変厳しくなり、観光バスの運行に大きな支障が出ています。これ、大幅改善して頂かないと大変困ります、お役人さん!)、宿のバスで近くの体験工房まで送って頂き、そこからバスということになりました。

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体験工房では、「そば打ち体験」を。
聞けば、畑から、粉挽きから、全て自家製。スゴい!その蕎麦を粉から手打ちで作っていく体験です。子ども達はワーワー言いながらも、一生懸命蕎麦を打っていました。特に男子が面白そうですね。自分で作る経験もなかなか面白いのだと思います。家庭科の授業とはまた違ってね。

18で、最後は茹でたてを食べられるのですが、これがまた最高に美味しい!
大人の我々も、「美味しい!!」と仰天!
施設の方も、「絶対美味しいです!」と豪語していましたが、そりゃそうですよね。今日挽いた粉で、打ちたて茹でたてを食べているのですから!しかも蕎麦が美味しい土地で! 宿で持たせてもらった天ぷらとごま塩ご飯も同時にお腹に入れて、さぁ出発!

帰りは爆睡。みんな撃沈しておりました。
途中、鼻血を出した子や、緊張からかお腹が痛くなった子がいました。お風呂場でちょっと手をついた弾みに角にぶつけて、軽く擦りむいた子もいました。が、それ以外は塾の救急箱が活躍することも無く、今年もひとまず無事に帰ってくることが出来ました。

親御さんから大切なお子さんを預かるのですから、こちらも気を使います。他所からはビックリされるのですが、桜学舎の合宿では、講師の仕事に「お風呂当番」というのがあります。これは特に小学生ですが、お風呂で怪我をされると困るので、お風呂の「交通整理」に行く当番です。もちろん塾長も行きます。「そこまでやってるんですか…」と言われますが、やるんです。

特に女子小学生は(こちらは塾長は行きません(笑))、髪の毛が乾かないまま授業に戻って来るケースが多いので、女性講師や副塾長がお風呂上がりにドライヤーを持って待ち構えています。これは女子生徒は嬉しいみたいですね。小6の時に合宿に参加して、中3の今年、また来た子がいますが、ある女性講師に、「小学校の時もこうやって髪の乾かしてもらったよね…」と感慨深げに、また嬉しそうに言ったそうです。ちょっと講師の方が涙が出そうだったと言っていました。そうです、そんな記憶が心に残る合宿でもあるんですね。

勉強ばっかりで、授業ばっかりで、どんなに辛く、どんなに過酷で、どんなに無機質な冷たいドライな世界かと思いきや、「みんながフォローして、みんなが見守っていてあげて、万が一の時は助けてあげるから、限界まで頑張ってみなさい…」という合宿、それが桜学舎の夏期合宿なのです。だからこそ、ホテルも「少しでも安いところ」ではなく、何でも相談出来て、バックアップもしてくれる、そんなオーナーさんの宿に毎年お世話になることにしています。今年も最高のバックアップを頂きました。ありがとうございました。

そして、桜学舎の合宿にお子さんを送り出して頂いた保護者の皆様に感謝です。塾の合宿に、しかも大手塾ではなく、小さな街の塾が実施する合宿に大切なお子さんを送り出すというのは、少し勇気が要るかも知れません。ですから、私達はご期待に応えるべく、また大手塾のようなマニュアル化された融通の利かないものではなく、親御さん同様の愛情と様々な教育的な仕掛けをもって、お子さんの中に何か小さな変化が起きることを目標にこの合宿を行っています。ご理解頂き、またご期待頂き、エキストラチャージまでお支払い頂いてお子さんを送り出して頂いた皆様、本当にありがとうございました。

また2日空いてすぐ後半戦が始まります。
以前はお盆休み前に合宿を実施していましたが、合宿でせっかく意識が高くなったのに、その後にお盆休みだと、後半戦にもうすっかり元通りになっている…ということが結構ありましたので、日程的には今のスケジュールがベストだと思っています。合宿モードが50%くらいのところで後半に突入出来れば、また気合いの入った夏期講習になることでしょう。頑張りましょう!

では、また明後日!