先日、板橋区のとある上位進学校へ説明会でお邪魔しました。なかなかのハイレベルの男子校ですが、今年はどういうわけか東大合格者が減って、少々危機感がおありの様子でした。

さて、そんな中学の先生方がしきりにおっしゃっていた言葉が印象的でした。
「中学入試で、パターントレーニングだけで入学した生徒は入学後に伸び悩む」

これです。
ほら、桜学舎が言い続けていることと同じじゃないですか。パターントレーニングで、とりあえず点数が取れるようにだけなってくる子は全然ダメなんです。中身を学ばずに、パターンや数字の操作方法、回答を出す手順、そんなものばかりを学んでも何にもなりません。

今も、桜学舎の受験生で、「速さ」で悩んでいる子が結構います。「は」「じ」「き」は理解できていますが、文章で出されるとちんぷんかんぶん。とんでもないトンチンカンな計算を始めます。一つ一つひもとけば答えは出せるのですが、何が「は」「じ」「き」なのかを全然理解していないし、捉えられないのです。

スパルタ受験塾だと、こういう子にはとりあえず数字の操作方法だけを教えて、ただ当てはめれば点数化できる方法を教えて「OK」にしてしまうところでしょう。そのうちわかるよ…と。でも、そのうちが全然来ないまま入試を迎え、結果的に点数化だけはできていたので合格する… でも、その「借金」って返済していませんから、必ずツケが回ってくるんですよね。

中学や高校でのツケを払わされることになると、結局後々のほうが苦しむ確率は高いものです。しかも、本質を理解するという癖がついていませんから、また「やり方」という名の「パターン」「操作方法」「手順」で乗り切ろうとします。でも、学年が上がれば上がるほど、内容が高度になればなるほど、パターン学習で乗り切れなくなってきます。限界があるのは当たり前です。

最後は、本質的にものを理解したり考えたりする力が勝負。
こういう理念で勉強をしてこないと、本当に「刹那的」な生き方になってしまいます。ですから、速さで悩んでいる子たちにも、かなりじっくりと付き合ってやらせています。できなくてもいい、わからなくてもいいじゃダメだ!と。毎年苦しがる子もいますが、それは中学入学後に生きるはず。

実は、 もういくつも報告を受けていますが、今年の春に中学へ合格した子たちの成績が、ぶっちゃけ抜群です! 学校はみんな「楽しい」と言っていますし、やれ地理が1位だったとか、科学が2位、学年総合10位だとか、まぁとにかくみんな頑張ってます。でも、受験生時代は随分と出来ない出来ないと悩んでいた子たちです。全員が全員第一志望だった訳でもありません。でも、本当に頑張ってます。それは、受験生時代の「下地」があるからだと思っています。

冒頭の上位進学校ですらそうなんですから、普通の受験生はましてやです。
パターン学習に逃げないこと!
本質を学ぶことです!