今、国語力向上のために、とても実験的な授業を実施している生徒がいます。もう長いこと通ってくれている子ですが、以前から国語力に弱さを感じていて、高校生になった今でもしっかり塾へ通ってきてくれています。学校の補習や、定期テスト対策というある意味「即物的」な問題ではなく、根本的な国語力の底上げが目的でしたので、思い切ってあることを始めました。それは、「書き写し」です。

19最初は簡単な小学生新聞の社説の書き写しから始め、ノートが1冊終わったらグレードを上げて、読売新聞の編集手帳の書き写しを続けました。高校生からすれば、単調で面倒な作業ですから、「キツいっす」「大変なんですよ!」とか散々文句も言っていましたが(笑)、そういうクレームは一切聞かずに(笑)、徹底的に書き写しをさせ、意味調べをさせて、タイトル付けをして、最後に要約をかかせることをとにかく毎回毎回、しつこく繰り返させていきました。

47そして今日で編集手帳の書き写しノートが1冊終わりました。
この子は今、かなり高度な言葉も理解できるようになってきていますし、タイトルをつけるのもとても上手になってきました。字数に合わないと、「どうしようかな?」と考えるようになってくれましたし、字数以内でまとめられるように言葉を考えるようになりました。的外れな解答はしなくなりました。

今日の授業内では、「あれ?この言葉はどこから拾ったの?」という質問に対し、「いや、自分で辞書を調べて使いました」と言われてビックリ。この言葉を思いついて使おうとして辞書を引いたというところに、以前に比べて段違いの国語力の向上が見られます。すごいなぁ。

昔の国語の授業では、「音読してくる」宿題や、まさにこれと同じ「書き写し」、そして「暗唱」などというものが当たり前に行われていましたが、最近では「無意味な漢字練習や書き写しは体罰と同じ」などと馬鹿馬鹿しい理屈がまかり通ることもあるようです。ですが、英語同様、ある程度高度な言語環境に子供を置き、一定期間しっかりと語学を学ばせるという点では、この「ひたすら書き写し」というのは、言語的にはかなり上位環境に置かれ、その中で意味理解を繰り返していくことで自然に言語能力の向上が見られるというケースになるのでしょう。いずれにせよ、効果がかなりある学習法であるとは思われます。

温故知新。
昔の人の知恵は大したものだったのですね。今後は、この書き写しを小学生や中学生、速読をやっている生徒にはワンセットで出来るように仕掛けを作っていきたいと思います。