「私、結構言いふらしてるんだぁ(笑)」
と副塾長=ウチの奥さんが。
「何を?」
「あのあんず棒の話(笑)」

速読を受講している小・中学生の生徒には、同時に「精読・書き写しノート」もやってもらっています。360字の短い文章ですが、丸々正確に書き写すという作業をやってもらうことで、「速読」とは対照的な動きをさせ、「速読」「精読」のバランスをとってもらっています。最後にタイトル付けをしなければいけないのですが、これがまた結構なハードル。文意を理解していないと題が付けられませんから、まだまだ何度もやり直しをさせられている子もいます。しかし、明らかに文章能力とボキャブラリー向上が見られるので、効果は絶大だと思います。

さて、そのあんず棒の話は「4」番目の文章。でも、子ども達はよくわからないようですね。
「あれってね、塾長の話なんだよ」
と生徒に言うと、
「えぇぇぇっ!?」
ってなるそうです。
「みんな、あの文章をあなたが書いてるって思ってないよ?(笑)」
そうなんだ… あんだけいろんなところで言ってるんだけどなぁ…
私が小学校の時に、1回だけ権力を悪用した思い出を文章にしてみました。いまだにそれを覚えているということは、やっぱり罪の意識があったんだなぁと思いますし、こうして表現・カミングアウトすることで少し懺悔をしているのかもしれませんね(笑) 大人から見ればカワイイ話ですし、小さな罪の意識なんですが、小学生の頃に芽生えた「邪念」に何だか気恥ずかしさもあり、妙な感覚になるものです。

今の子はどう思うんだろうなぁ。
今の子、特にこの近辺の子は男女ともに仲良しで、一緒に帰宅することも普通に見られます。私たちの頃ならすぐに「付き合ってる」とか言われてからかいの対象になりましたが… だからあまり分かってもらえないのかもしれませんね(笑)

いずれにせよ。
あの文章は全部塾長が書いてます!
今のところ全30本リリースしていますので、毎週やっても9月くらいまでは持つ計算です。さて、それ以上は考えなきゃ!頑張ります!

以下、その文章です!
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駄菓子屋でよく売られているあんず棒。それをある女の子におごった思い出がある。▼同じ委員会にカワイイ子がいたのだが、六年生の時、委員長だった私は、権限を使って彼女と自分を同じ班にした。ささやかな権力の悪用だった。▼ある日、委員会の仕事で残った帰り道、カッコをつけて私は彼女に駄菓子屋であんず棒をおごった。後から、彼女はとてもうれしかったのだと聞いた。▼その後、私が中学に入ってからは、私はその子のことはすっかり忘れてしまっていた。後輩である彼女は一年遅れて中学に入学してきた。久しぶりに校内で見かけたが、かわいかった反面、すぐに不良っぽくなっていた。▼その後は特に何事もなく、彼女と話すこともなかった。でも、今でも何となくあのあんず棒のことは鮮明に覚えている。きっと、権力を悪用したことに、少しだけ罪の意識があるのだろう。