みんな、真面目だなぁって思うことがあります。
ふとそんなことをつぶやくと、よく妻から、

「みんなあなたほど適当に生きてるわけじゃないの(笑)」

と言われます。
自分ではあまり適当に生きている感覚も無いのですが、端から見ると「適当」で、「お気楽」で「ノンビリ」で、「好き勝手」に生きているように思われるのかもしれませんね。その実、結構本人は必死で毎日を乗り切っていますし、息切れしながら、倒れそうなところをだましだまし、休み休み生きていたりするのですが、あまりそういう風には見られません。むしろ、

「好きなことを仕事にできていいね」 

とか、

「仕事もプライベートも絶好調だね」

なんて言われることが多くあります。何を言ってんだろうか?と本人はキョトンとしますが、やっぱり人はそういう風に見ているフシがありますね。

ただ、私は、「何が自分にとって大切なんだろう」ということに忠実に生きているだけなんだと思います。もちろん他人の事情も考えますが、そもそも自分が潰れてしまったり、苦しくなってしまったら、他人への影響もいいものを与えられないし、かえってご迷惑をおかけすると思っているのです。ゆえに、肉体的にも精神的にも「健康」でいることが務めだと、そう思っています。

教え子たちが、順調に就職をして立派な社会人になり、家庭を築いているというケースも多々有ります。おかげさまでたくさんのケースで結婚式に呼んで頂いたりしていますので、本当にありがたい限りなのですが、仕事が辛くて辞めてきたというケースも多々有ります。珍しいことではありません。そういう子は、たいてい頑張りすぎてちょっと心をおかしくしてしまったりします。真面目な子が多いんですね。そして、真面目な親御さんも多いんだと思います。だから頑張って!と応援してしまうのです。いや、ブラック企業に勤めていたら、大変なことになりますよ。

残業時間が40時間を超えたら過労死危険ラインだそうで、80時間を超えると過労死ライン。しかし、大きい企業ほど様々な抜け道を使ってとんでもない時間の残業を平気でこなしているものだと聞きます。先日来た子は、入社3ヶ月目から残業時間が月間120時間を超えたと言っていました。1日平均で5〜6時間の残業。まともな人間生活が送れるレベルの仕事じゃありませんね。

まぁ、私のように好きで自宅で仕事をしていたりする場合は、こんなカウントには入りませんし、だいたい私なんて労働基準法の適用範囲外の人間なので「お上の知ったことじゃねー」と言われるのがオチなんですが、やっぱり1日に10時間も働くとプライベートはおかしくなるし、そもそも思考力が低下し、停止します。おかしいんですよね。もちろん、時期的な問題、一時的な問題で残業が発生するのは仕方ないとしても、通常運転で1日の勤務時間が14時間とか、おかしいですからね。死にますよ。

おかしくなってきた時、辛くなってきた時、頑張るという選択肢は、残念ながら私にはありませんでした。私も週休1日で働いていたことがありました。その貴重な休みが2週連続で出勤になった時、この会社は辞めようと決意をして、人生でたった1回きりの「辞表」を社長に出しました。プライベートがおかしくなったり、仕事が辛くなってきたり、ただ睡眠をとりたい、体を休めたいということしか思わなくなってきたら、明らかにおかしいんです。ですから、私は辞めました。こういうところが判断できるというか、無理をしてまで辛いことを続けるという選択をしないんです。もちろん自分にとっての重要度・優先度は考えますがね。

120時間の残業をしても、その仕事に意味があって、楽しく頑張れるのならやればいいんでしょう。しかし、辛くなって、下手をすると死にたくなったりするようなら、簡単です。辞めればいいんです。

「そう簡単には辞められないだろう」
というのは「簡単」ですが、簡単に辞められるんです。明日から行かなければいいんです。30日前の退職予告だとか、社会人としての責任感が足りないだとか言う方もいますが、そんなもん命には代えられません。そもそも法的には「明日から行きません」は一応認められることになっていて、労働法の基本は労働者保護なんですね。「明日から行きません」とアルバイト君が仕事に穴を開けても責められないのだと、昔何度か教えてもらったことがあります。ですから、体や心がおかしくなってしまったら、明日から仕事に行かなきゃいいんです。そんな会社辞めちまえばいいだけなんです。

でも、真面目なんですよね。みんな。本当にエライと思う。
自分が辞めたら、他のスタッフに負担がかかるから、仕事がひと段落つくまで…とか、このくらいの辛さで音を上げているのは自分が社会人として未熟だからだ… そんな風に思ってひたすら頑張ってしまう方もいるんですね。実にお気の毒であります。

「やめてどうすんだよ?」
ということも言われるでしょう。でも、心身ともに元気を取り戻せば、ちゃんと働けるとも思いますし、少しくらい人より遅れたからって、何の問題もなく、何の影響もありません。レールから外れることへの恐怖心をいい加減そろそろ取っ払ったほうがいいんではないかと思うのです。

もちろん、きちんとして辞めるならやめたほうがいいに決まっていますし、辞めないほうがいいんでしょうね。きっと。でも残念ながら私にはそういう生き方は出来ませんでした。好きでもなく、重要な意味も感じられない仕事できつくなってきたときに、その仕事を辞めるという選択しかありませんでした。

おかげで自営・会社経営なんて世界に入ってしまいましたし、実際大変苦労もしました。高い月謝もたくさん払いました。しかし、好きでやっている分、つまらない時間を過ごすこともありませんし、無駄な精神力を求められたりもしません。

そういう生き方もあるってことは若い世代にもわかってほしいですし、そもそもまず何が一番大切なことなのかということをよくよく考えてくれるといいなぁと思っています。学歴。会社。プライド。肩書き。そんなものにしがみついていても仕方がないと思うですが…