通信簿の成績が良くないというのは決して放置しておいて良い問題ではありません。

どうも最近、この通信簿のつけ方がおかしいのです。特に公立中学校。

数年前の区内の中学校。
毎回数学で90点以上の点数を取ってくる子がいたのですが、どうしても成績が「3」。よほど授業をサボっているのかと思って聞くと、授業態度は問題なし、提出物も全部期限までに提出しているとのこと。それでもどうしても、何が何でも「3」なのです。

中学2年生まではそれでも慰めつつ頑張らせてきましたが、90点以上取ってくる試験の何をどうしたら4や5にしてもらえるのでしょうかね? 3年生1学期に私もいい加減堪忍袋の緒が切れて、お母様に「学校の先生に聞いて下さい」と、その原因を尋ねてもらいました。そこで出てきた答えは「点数です」とのこと。授業態度や提出物は問題ないとのことでした。平均点を大きく上回る点数で、なんでこれが点数なんでしょうか。結局この子は最後まで3しかもらえず、他の科目も頑張っても上げてもらえず、希望する都立高校も不合格になり、私立に進学することになりました。 よほど嫌われたのでしょうか。

いまだにこんなことは平気で繰り返されていて、特に桜学舎には毎年「学校の成績は良くないが、実力は飛び抜けている」という子がいます。いや、むしろそういう子が多いかもしれません(笑)今年も、ほとんど「3」の成績ながら、模試を受けると毎回偏差値65近辺という子がいますし、こういう子は昨年もいました。また、ほぼ不登校状態なのに、模試をふらっと受けに行くと偏差値65なんて子もいて、意外に桜学舎にはこのレベルの子がいるんです。意外ですか? いや、意外じゃないか(笑) 面白いもので、私の進学した高校が当時の偏差値65。似た者が多いのかなぁ?(笑)

結局、内申点など先生の主観なのか?と思ってしまいます。客観的データに基づいた成績診断ではなく、人間が人間を判断しているものだと思えば「さもありなん」なのですが、いかにもそれが一定の基準に基づいて算出された統計的データであり、客観的評価であるように思ってしまうのが不幸なのでしょう。そしてさらにそんな不確定要素しかないようなデータとも呼べないような評価を大切なお子さんの進路選択の際に使わなければならないというのは本当に不幸だなぁと思わざるを得ません。(すみません、大学で一応統計学などは勉強したものですから…)

過去、何度も何度も繰り返されてくる「90点以上でも通信簿は3」という現象。
これを公立の中学校に改善せよというのは、もう出来ない相談なんだと思います。親御さんの間で問題化しても、結局は先生が黒だと言ったら黒ってケースばかりでしたから。

別に公立中学校を批判したいわけではありません。内申点とはそういうものだということをしっかり認識した上で対策を考えねばならないということなのです。そして、中学3年生になってから「内申点が全然上がらない」などと言って慌ててもかなり遅いということは保護者も生徒自身も認識しておく必要がありそうです。中1・中2の段階で考えておかねばいけませんし、このあたりから改善をしていかないと、中3になってから成績が全然上げてもらえません。

もちろん中学校ごとに、下手をすると学年ごと、クラスごと、担任の先生ごとに傾向が違います。「ああ、その先生かぁ…、厳しいんだよなあ」というケースも多々ありますし、「その先生は正しく評価してくれるよ」というケースもあります。いずれにせよ、早いうちから対策したり気をつけておいたり、「改善」をして行くことが重要です。もしこのブログを近隣中学の先生が見ていたら申し訳ないのですが、私たちもこの地域で長いので、あの先生はこう…という傾向分析はある程度しています。

余談ですが、もし中学入試か高校入試かと迷っているなら、あくまで都区内・この近辺に限って、私の知りうる限りではありますが、私は素直に中学入試をお勧めします。高校入試は内申点リスクが高いですね。本人がどれだけ頑張ってもダメだというような要素が入ってくることは、少なくとも「受験」という公平な競争においてはとても問題だと思っています。まぁこれは完全に個人的な感想ですので、参考になるかどうかもわかりませんけど…

もちろん、人生や社会というものはそういうもので、努力が報われると思っている方が図々しいというか(笑)、大抵は不条理なものです。悪意を持った人も思ったより多いものですし、性善説でなんて考えていると足元をすくわれることなど多々あります。私も随分と「妖怪」に出会ってきました(笑) 戦ってやっつけたこともありますし、無力さに打ちひしがれたこともあります。怖い思いもしてきましたし、人生終わった!なんて思うことも何度もありました。

でも、最後は「まっとうな努力」が勝利することも体験的に理解してきました。真面目に努力している人は必ず救いの手を差し伸べてくれる方が出てきます。ですから「基本」を大切にすることが何より大切なんですね。若い頃に「裏技」やら「うまくすり抜ける方法」なんて覚えてはいけないわけで、故に子供たちの受験などは「正直者がバカを見る」「真面目な努力が報われない」というシステムではいけないはずなのです。正しく子どもの姿を評価しなければいけないと思っています。

 内申点の問題は、やはり解決が難しい問題です。
今年も正直、内申点が全然上がらなくて厳しい入試を迫られている中3生が何人もいます。何でそんなに内申点が悪いんだか理解できないほど悪い子が結構います。模試の偏差値も学力は高いのに。そしてそんなに態度や提出物に問題も無いのに…

先生に気に入られるためにおべっかを使うことが良いわけではありません。もちろん先生方もそんな基準で成績をつけているわけではないと信じたいところです。しかし、どう考えても不条理だという場面が多々あります。それも「リスク」の一つだと考えて、早め早めに対策する、意識を変えることが大切です。今年の中1・2には早めにそんな話をしておきたいと思っています。