もう確定した話なので、そろそろ書いてもいいかなぁと思って書きますが(笑)、今年の中学3年生の内申点。びっくりするほど上がりませんでした。いや、微塵も上がらないと言っていいほどです。

何年か前にもこういう事例はありましたし、度々「何でこの内申点なの?」というケースはあります。今年も、模擬試験の偏差値と内申点の乖離が著しい子が何人かいます。それだけ模試で毎回点数が取れ、偏差値も取れて来るのに、何で内申点はそれしかないんだ! そんな子です。

もちろん、内申点対策で塾に来る子もいますし、それなりに対策もして、ちゃんと点数も上がっていたり、提出物や授業態度も悪くはないのに、微塵も上がらないのはどうも困ったものです。

つまり、内申点とは、客観的なデータではなく、純粋に中学の先生の「感想」「所感」であると考えたほうがいいんだろうなぁというのがここ10年ほどの結論。人間が主観的につけている点数だから、何のエビデンスもないわけで、「こんな感じ」ってイメージなんだろうと思います。

まぁ別にそれが悪いとは言いません。担当している先生の所感というのも大事だと思いますのでね。ただ、その主観的な、とても「データ」とも言えないような点数を元に人生を決める入試を行うのはいかがなものなのだろうかと、やっぱり疑問に思わざるを得ません。やっぱり内申点を点数化して学力検査の点数に加えて序列化するというのは、統計学的に考えてもデータの扱いとしてはよろしくないように思うのです。

データというものは、きちんと理解していない方は単一の指標にしたほうが良いと思われるかもしれませんが、質が異なるもの、基準が異なる数字を足し引きしてしまうことは、データ処理として無理がありますし、正しい評価値にはならないと考えるものです。

当日の学力検査の点数は、全員が同基準で行う客観的な数値だと思われますが、内申点は学校間格差や担当者の主観が多分に入り込み、正しい客観的データとしてはどうも機能していないのではないかと思います。以前のケースですが、毎回数学で90点以上取って来る子が「3」しか与えられないことがあって、親御さんに先生へ質問してもらったのです。何が悪いのかと。先生は、提出物は全部出してます、授業態度は良好ですと。「3」なのは純粋に「点数です」とおっしゃったとか。平均点を大幅に超え、9割の得点をして、何故3? 彼より点数の低い子が5を取っていたのに? 結局その子はどうしてもその3が克服できずに志望する都立高校にも行くことが出来ませんでした。

一つ言えることは、3年生になってから慌てても、遅いんだろうということです。3年間の通しの評価ですと言われると困りますのでね(笑) つまり、早くから対策をして、ちゃんと成績を上げておくということしかないのだと思います。

3年生の1学期までは部活やり放題で勉強ゼロ、夏から頑張ります!は通用しないケースが最近増えて来ました。その実部活は軽減されているどころか、いつの間にかまた土日の1日休みという文科省通達があやふやになっている状況ではありますが、そんなことは言っちゃいられないので、部活のせいには出来ません。公立中学校から高校受験をお考えの方。3年生の夏休みからやればいいや!では、内申点が上がりません。是非2年生、1年生のうちから対策を! 今年は本当にその部分で苦労したし、生徒たちも苦しんだので。