日本経済新聞の記事。

「校内塾」が全盛なんですと。私立の学校に限らないのでしょうが、学校内に「塾」を招き入れ、放課後に学習指導を行うというところがとても増えているのだとか。

少子化の流れで、学習塾も淘汰が起こってきています。
全国の個別指導塾の一般的な生徒数は50名から70名程度。一時期桜学舎が伸び悩んだあたりの生徒数。振り返ると「一番苦しい時期だったな」と感じます。もちろん、一番のんびりやっていたし、一番楽しかった時期かもしれません。でも、もう戻りたくないなぁ…

周囲ではこの10年で確かに淘汰と新興の繰り返し。残念なのは、個人塾が減り、代わりにFCやチェーンの塾が圧倒的に増えたこと。個人塾がもっと頑張って欲しいなぁと思うのですが。

閑話休題。
教員の時間やノウハウに限りがある「学校」と、教室の賃料がかからず、一気に生徒を集めることが出来る高収益市場として開拓したい教育各社の利害が一致したのだそうですよ。

まぁ、そうでしょう。
わかんなくはない。わかんなくはない、です。
でも、腑に落ちない。納得がいかないので、ツッコミたくなります。

私がお付き合いしている、敬愛すべき学校の先生方は、そういう先生たちじゃないんだよなぁ。生徒指導や、生徒の人格丸ごと引き受けるような、辛い時も、できない時もあるよな…って、そういう部分も含めて指導として請け負うような先生たち。人間教育してる先生たちです。

学校が「教員の時間やノウハウに限りがある」って、「え?」と思うわけです。「プロじゃないの??」
むしろ、塾に限界がありますよ。
私たちは、塾をやりながら「所詮塾ですからね」という謙遜にも似た自虐(なのか!?)が常にあります。やってあげたいけど、力不足でできない、リソース不足できない、資力不足でできないことばかりですよ。そして私たちの体力の限界もあります。やってあげたいことは山ほどある。でも「所詮塾」だからできないことがイッパイあるんです。

そういう理由でかどうかはわかりませんが、特区を活用したりしなかったりで、塾が学校を作った例は沢山ありますよね。以前ちょっと問題を起こした例もありましたが、比較的「進学校」を作りたくて学校を設立した例が多いのかな?と思いますが。

「教室の賃料がかからず、一気に生徒を集めることが出来る高収益市場として開拓したい教育各社」ってのも、納得があまり行きませんね。これって「教育」各社なのかな?と。そりゃ、経営的側面も重要です。むしろ、経営の勉強をしないから塾が潰れていくんだとも思っているくらいなので、経営面は大事。でも、どうもねぇ。こう書かれてしまうと萎えてしまうわけですよ、日経さん。

しつこいようですが、昔、文部省の時代は「塾」なんてものがこの世に存在しないとされていた時代もありました。「無視」されていた時代。むしろ教育を食い物にする害悪だとされた時代がありました。世が変わった故に、我々もこんな風に「生意気」にものを言えるのでしょうが、ここまで風向きが180度変わると、やっぱり違和感があるのです。確かに塾は教えるの専門の「業者」ですけど、やっぱり学校の先生こそが「教育」のプロじゃないんですかね。

予備校の先生に、教員免許を持っていない方は多いもの。私が現代文でお世話になった代ゼミのT先生も、はっきり「教員免許はない」と宣言していらっしゃいました。かく言う私も持っていません。「無免許」(笑)もちろん、学習塾の教師募集に教員免許必須としているところはあまりないのではないかと思います。だから、先生の方がプロだと思うんだけどなぁ。

天邪鬼なので、みんなが「校内塾だ」「進学補習だ」「公営塾だ」などと言い出すと、そりゃどうなんだ?と言いたくなる性分なので、すいません、勘弁してください(笑) 以前、どっかの区がやっぱりそういう無料塾を公民館みたいなところで開くので、業者の入札があったのをHPで見ました。日付と時間も決まっていて、やることは丸投げ(だったかな?)、これがまた結構な素晴らしい額で、

「え?うちも応募する?」

なんて笑っていましたが、まぁ大手さんが落札されるのでしょう。でも、そりゃいい仕事だよなぁと思った記憶があります。確かに、賃料かからないしね。生徒いるしね。

さて。
じゃ、何が言いたいんさ?と言われると困るのですが(笑)、もちろんハイレベルな学校を目指して勉強してくれるのは結構なことなんです。東大や京大、早慶目指して受験勉強することも結構ですし、そのために学校終わりに「校内」であろうと、「校外」であろうと塾に通って勉強することも否定はしません。むしろ頑張れと応援はします。

が!
みんながみんなそうなんか?と思うわけです。ここが日本人の特性だなぁと思うのですが、みんなが右向くと、自分も右向いてしまうんですね。同じことで、世の学校が「特進コースだ」となると、どこもこぞって特進コースを作り、 どこが一番乗りで東大を出せるか、東大に何人入れられるかという競走が始まります。すると、どこの予備校と提携しているとか、どこのテストを入れているとか、どこの映像を使っているとか、そういうアピールもめっちゃくちゃ多くなりました。

それで乗っていける子も多いのでしょうが、私は教え子が高校を中途退学する率が、極端に増えたと感じています。20年前は高校中退=不良でした。「高校へ行く坂がキツくて辞めた」という、ウソのような本当の話があって、「アホだなぁ、あいつ!(笑)」ってレベルでしたが、ほとんど高校を辞める子なんて遭遇しませんでした。むしろ、中退しそうな子たちと付き合うことが多くあった私ですが、その実ほとんど辞めていません。

ところが、ここ10年で結構な数の中退者に出くわします。原因は「勉強」です。
叩き込み、詰め込み、テスト漬け、大学進学に追われる、そういう生活に嫌気がさして辞めるという子が、しかも超高偏差値の学校の子に見られます。

KJ。
T。
RN。
J。
KG。
聞くと、ビックリするような学校です(言えないけどw)

じゃ、他の選択肢があったのかと言われると、実はどこも◯◯コースなんて類型分けされた進学予備校型の学校が多かったりもします。違うんだよなぁ。

実は、全然、多様化になってない。

だから、私、「ほったらかし温泉」ならぬ、「ほったらかし中高」が欲しいなぁと思うのです。基本的に生徒にそんなに干渉しない。でも、面白いものを見つけるトリガーになるような授業や教育活動が多い「知的集団」。最終的に優秀な人材を排出できればいい、そんなプロの先生が沢山集っている中高、ないもんですかね。

IMG_3718全然違う話のようで申し訳ないのですが、先日、山形県の「かみのやま温泉」に1泊1.5日で行ってきました。私たちのような貧乏暇無しの人間は、1泊2日も休めず、1泊して、帰ってきてその晩は仕事です。全然休まらないけど、それでも、もう無理やり休まないと、ヤバイんです、精神的に(笑)

「かみのやま」は気に入っている場所で、何度か通っていますが、行く度に「帰りたくない」衝動に駆られます。この風に吹かれてしばらくゆっくりしたいと思う場所。ただ、やはり地方都市ですから、町の寂しさはありますし、日本全国どこでも同じく、寂れてきています。でも、観光リソースはものすごくあるのです。温泉はもちろん、年中フルーツがあり、冬には芋煮があって、蕎麦の名所。静かな環境に、蔵王ビュー。でも、活かせていない。これが日本全国の「地方」の問題なんだろうなぁと感じます。

IMG_3721IMG_3694ただ、若い感性の「息吹」も感じるのです。
高橋フルーツランドという農園さんが駅前に「出店」を春から作ったようで、観光案内所に併設されています。きっとこれから海外からのお客さんもあるんでしょうね。さくらんぼ好きの私は、ここへさくらんぼを求めて来ます。

そりゃ、高学歴で、みんな国家公務員になるのもいいでしょう。有名企業に入って、世界を相手に仕事をする人もいてくれなきゃ困ります。でも、地方を活性化させたり、小さな会社を動かして行く人もいなきゃ困るのです。そういう勉強ができる学校なんかもあったり、そういうことを教えてくれる学校があったりしたら、面白いのになぁと思うのです。実は「商業科」なんて、こういう「起業家育成」の科としてリニューアルしたら、かなりの可能性があるんだろうと思うのです。楽しい勉強ができると思うんだけどなぁ。

学歴ピラミッドの外側に位置する、ぶっ飛んだ学校。
以前もこのブログで書きましたが、そういう学校の出現を期待してやまないのです。

それにつけても、己の力のなさを恨めしく思うわけです。ええ。