毎年毎年、夏期講習で私に「泣かされる」子がいます。

今年は何人かすでに涙目になっていますが、まだまだ甘いですね。特に男子をまだ泣かせてないので、まだ優しい、甘い状態です(笑)別に泣かせようとして泣かせているわけではないのですが、結果的に泣いてしまう、それは自分がスルーしたりごまかしたりして来たことを目の前で突っ込まれて、引っ込みがつかなくなってしまうから、というのが真相。普段から私に指摘されていることをきちんとやっていないと、そういう目にあってしまうわけです。

久々に個別で見た生徒。
おかしいなぁと思って突っ込むと、実は「速さのグラフ」の見方やメモリの数え方もよくわかっていなかったようで、トンチンカンなことを目の前でやり出してツッコまれました。「はじき」の図の使い方も曖昧で、「一体、俺の説明をどこ聞いてたんだ!」と叱られる始末。涙目ウルウル。でも、あったりまえでしょう?ここまでよくスルーしてきたな、おい!(笑)今日はがっちりつかまりました。

他の子もつかまりましたが、とにかく「わかんないから教えてください」と来る。まず気に入らないのは、白紙状態で質問にくること。これは他の生徒もそうなんですが、結構います。全然ダメなやつですよね、これ。一番やっちゃいけないやつです。自分で考えてみた式、図、絵、なんでもいいので、どう考えたかをちゃんと明確にして質問にくることが大事なのに、やっぱり先生から解答を引き出すのが「質問」だと思っているところがあります。

ですが、「教えてもらう」ことばかりを繰り返している子は、絶対に成績が上がりません。成績をきちんとあげるその「唯一」の方法は、「自分で問題を読み解き、正確に聞かれたことに対して答えること」ができるようになる訓練をすることしかありません。ところが、これが出来ない。出来ないからテストで点が取れないんですよね。

「長さが165mの列車が,トンネルに入り始めてから26秒後に,列車の先頭がトンネルの長さの4/5まで進みました。その後,列車がトンネルを完全に出るまでに14秒かかりました。この列車の速さは秒速何メートルですか」

という問題で、私にツッコまれていた子もいました。
まず図も何も描かないで眺めているので、図を描けとツッコまれ、 「描き方が分からない」と言い出して、「今までオレが授業で描いてきた図は何だったんだ?」と叱られ(笑)、それでも何とか描いてみると、文章通りじゃないわけです。

文章題が出来ない子やケアレスミス、読み違いミスをしてしまう子は、言葉を「バカにしている」というか、言葉の扱いが「雑」なんです。言い間違いだからしょうがないとか、言っている意味が合ってるから別に言い方はどうでもよくない?とか言い出すタイプ。

で、この問題では、「その後」という言葉を完全に無視していたわけです。いやぁ、これはツッコまれましたね。その後って何の後だよ?と。 

「列車の先頭がトンネルの長さの4/5まで進んだ後」
だとすれば、この 4/5の位置から列車がトンネルを完全に出るまでに14秒かかったという図を作るべきなんですが、この子の図はトンネルの入り口から14秒という図になっていました。

「ほーらまた日本語読めない!」

とツッコまれ、少々涙目になっていました。でも仕方ない。ここで悔し涙を流すことで、次に間違えないように頑張るはずです。

結局、この問題、4/5までで26秒かかっているわけですから、1/5あたり6.5秒かかる計算。 その後電車が出切るまでに14秒かかっていますが、トンネル内にいた1/5分、6.5秒を引くと、列車の長さ分の時間が14-6.5=7.5秒だと算出されます。列車の長さ165メートル、かかった時間は7.5秒ですから、165÷7.5=22、秒速22メートルが正解です。

飛ばし読み、斜め読みはダメ。
正確に読み取る訓練をすべきです。国語力が重要。算数が出来ない子、ケアレスミスが多い子は、国語の勉強をしましょう。とにかく正確に読む、書く練習をすべきだと思います。それだけで、かなり算数の成績が上がると思います。