これは中学受験に限らないことではありますが、どうしても桜学舎はメジャーではない存在、マイナーな、インディーを地で行く存在なので、やはり最初の塾選びの際のチョイスからは外れることが多々あります。皆さん、1回は大手塾に行ってみるという傾向は否めません(笑)

現に、今の小学6年生も、一人ひとりを見てみれば、元〇〇ゼミナール、元〇〇研、元〇〇アカデミー、元〇〇スクール… 半数以上が大きな有名塾からの転塾組です。5年生も結構いますね。4年生の時に大手塾に行って、違和感を感じたり、もっと手前にハードルがあることに気づいて桜学舎へ移る。そういう子が多いものです。

ただ、やはり世の大半は大手塾信者。だいたい9割の方はそういう方ですし、塾に限らずどこの業界も9割程度は有名企業のブランドに安心感を持つ方々で、それが普通だと思います。もちろん、それに何の異論も無いし、大手が悪いわけでも何でもないので、文句のつけようもないのですが、かなりの割合の方がその素晴らしいプログラムを使いこなせていないだろうと感じています。

特に、受験生の場合は非常に難しいポイントがあります。それは、「基礎学力」の部分と、「受験に対応するコツ」「受験テクニック」という部分が存在するのですが、それを皆さん混同してしまうし、使いこなせておらず、最終的に「え?」という受験結果になってしまうことが多いものなのです。

受験テクニックというのは、つまり、以前の記事でも少し書きましたが「問題の解き方」という部分。ある程度基礎学力を持っている子が受験勉強を進めていくと、あることに気づき始めます。

「あ、この問題、見たことあるぞ?」

そうです。ある程度パターン化された問題は、手を変え品を変え繰り返し出されるもの。そこで、基礎学力から応用して考えるという手順を少々簡略化し、公式化してみたり、「この手の問題はココから考えてみる」といったパターン分析をかけてみたりすると解答時間の節約になります。その分、他の問題に時間をかけることが出来ますから、基礎学力がキチンと付いている子にはかなり強い武器となります。

ところがですね、多くの場合、この「武器」の方を手に入れようとするケースが多く、基礎学力の上にテクニックが乗っからないものだから、なんにもならなっていないという子を見かけることが多々あります。本人は公式とかやり方をたくさん知っているものだから、勉強が出来た気になっていますが、肝心な計算能力や読解能力が不足しているから、全然点数にならない…

それを見た親御さんも、
「うちの子は要領が悪いみたいです」
「勉強のコツが分かっていないみたいなんで教えて欲しい」

などとおっしゃってくるのですが、それ、全然違いますから!
基礎学力が足りてないんですよね。

「こんな簡単なことは分かっている」
「こんなのはレベルが低い」
などと馬鹿にしてすっ飛ばしてきた基礎学力が圧倒的に不足している子が、テクニックをいっくら振り回したところで、なーーんの役にも立たないのです。だって、理解できてないんだから(笑)

もちろんこれは高校受験でも大学受験でも全く同じです。
素晴らしい、立派な講義を受けたり、「神授業」でわかった気になる前に、まずやることがあるんですよね。そうじゃないと成績は伸びませんし、本当の実力にはなりません。

仮に、テクニックを詰め込んでなんとか志望校へ入ったとしても、今度は入ってからが大変です。
桜学舎は駆け込み寺みたいなところがあって、大手塾で私立中に入ったものの、入学後にさっぱり勉強が出来るようにならず、意欲も低下して散々な成績。ほとほと困り果てて親御さんが塾探しをするというケースの子がよくいらっしゃいます。

テクニックで受験を乗り切らせて、志望校へ押し込んでしまうのは本当に危険です。ちゃんと見合った実力を付けて志望校へ行かせないと結局は「ポテンシャルの勝負」になってしまうのは明白なのです。

例えば、下のような表にすると分かって頂けるでしょうか?
□はお子さんが学習の中で身につけた基礎学力の部分、■は受験勉強で手に入れる「受験テクニック」「問題の解き方」の部分です。

                                                          合格ライン
                     ↓
Aくん  □□□□□□□□□□□□□□■■■■■■ 
                      |
Bくん  □□□□□□□■■■■■■■■■■■■■■


AくんとBくん、どちらも合格ラインを超えて、第一志望の学校へ入学を果たしたとします。合格点はBくんの方が上でした。

ただ、Aくんは桜学舎みたいな塾で、基礎学力をきっちり構築し、勉強のやり方も身に着けていますから、中学に入ってもそのままの勉強をしていけばいいかな?と思っている子。Bくんは進学塾で徹底してテクニックや問題の解き方を特訓して、直前は塾の他に家庭教師まで付けて合格ラインを超えました。

もちろんどちらも合格には変わりありません。 

ところが、中学に入れば、この受験テクニックの部分はなくなります。受験はしないわけですし、お子さんによっては受験が終わったら塾をやめてしまうケースも多いでしょう。中学受験専門塾に通っていたならば、そもそも中学生コースが無かったりしますから、もう一度塾選びをするのはちょっと…と塾をお休みしている子も多いでしょう。

とすると、上の表はこう変わります。 


Aくん  □□□□□□□□□□□□□□□ 
                    |
Bくん  □□□□□□□


どちらが成績上位になるかは一目瞭然ですよね?
結局ポテンシャル勝負、基礎学力勝負になってしまうのです。ベースとなる知的レベル、意欲、好奇心、そしてコツコツ勉強できるようにする「教育」がきちんと出来ているこの方が学力上位になるのは当たり前ですし、中学入学後、このAくんとBくんの差はどんどん開いていきます。Aくんは自分でどんどん勉強し、知的好奇心があるので勝手に色々なものを吸収していきます。Bくんは塾に通わなければ、誰かに教えてもらわなければ勉強は出来ませんし、「何かコツが有るに違いない」「一番効率のいいやり方はなんですか?」と、勉強の内容よりも「いかに最小限の努力で高得点を取るか?」ということにしか興味がありません。

これじゃ、差は広がる一方。
でも、幼い頃にマインドセットされたものは、なかなか抜けないものですし、その価値観を正しいものとして引きずる傾向は強いと思います。

「受験テクニック命みたいなメンタリティをインストールされたくない」
とおっしゃった保護者がいらっしゃいましたが、ドンピシャ、私の言いたいこと、私が持っている価値観を見事に言語化してくださったなぁと思いました。そうなんです、そういうプログラムを子どもに「インストール」したくないんです、私。

出来ることなれば、ポテンシャルだけで中学入試を乗り切って欲しいのです(笑)
そういう子って、かつて何人かいましたが、授業しているこっちが本当に楽しいんですよね。私達が知っていることを教えると、本当に目を輝かせて楽しそうに吸収してくれるのです。それで中堅の中学受験は全然乗り切れます。

かつて、私が2割〜3割くらい説明したところで、「あ!分かった、こういうこと?」とサラサラ書き始め、「はい正解!」ということが多かった子がいました。そりゃテクニックをインストールして徹底訓練すれば最上位へ行けたかもしれませんが、本当に実力任せでノンビリ勉強させて、結果、品川女子学院へ進みました。昨年普連土学園に進学した子も、数年前に成城に進学した子も、みんなそんな子でした。ニコニコして、楽しそうにやっている子でした。

受験塾、としては甘いのかもしれません。
徹底的に仕込んで、上位校へ叩き込むことを求める保護者も多いのかもしれません。
でも、それはかなり古い価値観だと思います。受験モンスター・受験勝者は、これからの教育の世界では通用しなくなってきます。それよりも、受験勉強を通して、いろいろなことを知り、様々な角度から物事を考えられる子に育つ「教育的意義」を感じながら、学校よりはハイレベルな学習を進めるという価値観をお持ちの方には、是非桜学舎で学んでほしいと思っています。